福井県舞台の映画「福井のおと」勝山市で撮影中 移住者が主人公、演じた俳優は「住民の優しさ感じた」

勝山水菜の畑で行われた映画の撮影=2月20日、福井県勝山市北市

 福井県内各地の暮らしや自然の中で耳にする「音」をテーマにした映画「福井のおと」(仮題)の撮影が2月20日、福井県勝山市北市の畑で行われた。スタッフ5人が、県外から移住した男性が勝山水菜の収穫作業を地元農家に教わるシーンを撮った。

 映画は、2024年春の北陸新幹線県内開業に向け県などが進める「福井の方言愛着ましましプロジェクト」の一環で、22年6月から福井、勝山、敦賀、小浜各市と越前海岸の計5カ所で撮影している。

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 勝山市での撮影は19日に始まり、県外からの男性移住者を主人公にした物語を撮る。20日は三觜武志さん(81)の畑に水が流れる音が響く中、勝山水菜を鎌で収穫する場面や水菜を軽トラックに積み込むシーンをカメラに収めた。勝山に約1カ月住んだという主人公を演じる俳優柳谷一成さん(34)は「住民の優しさを感じた。それを生かせる映像にしたい」と意気込んだ。

 メガホンを取った福井県鯖江市出身の映画監督で俳優の片山享さん(42)は「それぞれの地域の方に協力いただきありがたい。満足できるものに仕上がりそう」と期待した。勝山市での撮影は26日までで、勝山左義長まつりでもカメラを回す。

 映画は今春にクランクアップし、秋には撮影を行った市町で完成披露試写会を開く予定。

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 映画製作プロジェクトは福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で運営資金を募り、114万円の支援を集めた。

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