TOM’Sがスーパーフォーミュラ・ライツ参戦体制を発表。エンツォ・トゥルーリが参戦へ

 2月21日、TOM’Sは2023年のフォーミュラカテゴリーの参戦体制を発表した。TOYOTA GAZOO Racingの育成プログラムであるTGR-DCに所属する野中誠太、平良響が継続して参戦するほか、2年目の挑戦となる古谷悠河、そして1997年から2011年までF1で活躍したヤルノ・トゥルーリの息子、エンツォ・トゥルーリが加わった。

 2022年は小高一斗がチャンピオンを獲得、チーム、エンジンチューナー部門と三冠を達成したTOM’Sは、2023年もドライバー育成強化のもと、4台体制を継続していくことになるが、期待がかかる4人がステアリングを握ることになった。

 フル参戦3年目となる平良は、今季勝負の年。小高のタイトル獲得にともないカーナンバー1をつけてトヨタモビリティ中京カラーのマシンをドライブすることになる。一方、2021年はスポット、2022年にフル参戦を果たした野中も、今季はPONOSカラーのマシンを継続してドライブ。今年はチャンピオン争いに挑戦する一年となりそうだ。そして、デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがスポンサードする古谷は、2022年は表彰台は獲得したものの、優勝には届かなかった。今季は1勝が目指すところだろう。

 そんなTOM’Sのもう一台については、12月のテストではドライブしていなかった注目のドライバーがシートを得ることになった。かつてF1で大活躍し、トヨタF1にも所属したヤルノ・トゥルーリの息子、エンツォがトヨタモビリティ中京カラーの37号車で参戦することになった。

 2005年生まれでまだ17歳のエンツォは、レーシングカートを経て2021年に四輪デビューを果たしたばかり。2021年にスーパーフォーミュラ・ライツと同じダラーラ320を使うユーロフォーミュラ・オープンでランキング7位となり、2022年はFIA-F3に参戦したが、ここでは苦戦を強いられた。

「富士スピードウェイでのテストを終えて、TOM’Sと契約ができると聞いた時は本当に嬉しかった。初めての来日で、いろいろ戸惑うことばかりだったけど、TOM’Sのエンジニアやスタッフの皆さんがプロフェッショナルだったので、コクピットの中に入ればテストに集中できた」とエンツォ。

「日本という国も、サーキットもマシンも初めてなので、自分が学ばなければならないことはたくさんあるけど、自分にできることは全て全力でやり遂げ、TOM’Sとともに、父が誇りに思うトヨタとともに、まずは全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権での初優勝を目指したい」

 4台の参戦体制は下記のとおりだ。なおTOM’Sではフォーミュラ・リージョナルにも2022年同様に1台体制で、ジェントルマンと若手育成のコンビネーションで参戦するほか、若手の育成を目的に2年ぶりにFIA-F4にも復帰する。

PONOS Racing TOM’S 320 TGR-DC

カーナンバー:35
チーム監督:山田淳
ドライバー:野中誠太
チーフエンジニア:吉武聡

野中誠太車のカラーリング

Deloitte HTP TOM’S 320

カーナンバー:36
チーム監督:山田淳
ドライバー:古谷悠河
チーフエンジニア:吉武聡

古谷悠河車のカラーリング

モビリティ中京 TOM’S 320

カーナンバー:37
チーム監督:山田淳
ドライバー:エンツォ・トゥルーリ
チーフエンジニア:吉武聡

モビリティ中京 TOM’S 320 TGR-DC

カーナンバー:1
チーム監督:山田淳
ドライバー:平良響
チーフエンジニア:吉武聡

エンツォ・トゥルーリ車、平良響車のカラーリング
エンツォ・トゥルーリと父のヤルノ・トゥルーリ

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