シーズンオフの間にウイルス性肺疾患に罹ったオコン。一時は回復が足踏み状態になるも、現在は全快

 アルピーヌのドライバーであるエステバン・オコンは、この冬のオフシーズン期間中に重度のウイルス性肺疾患に罹っていたことを明かした。これにより新シーズンに向けての準備に影響が出たという。

 16日夜にロンドンで行われたアルピーヌの新車発表会に出席したオコンは、メディアに対し、疾患が「厄介」なものだったため例年通りの身体トレーニングプログラムを実施できなかったと語った。しかし現在は完全に快復しており、3月5日のバーレーンでのシーズン開幕戦に万全の体制で臨めるよう、体力増強にいつも以上に力を入れて取り組んだという。

「1カ月半もの間、本来あるべき体力レベルに戻れなかった」とオコンは明かした。

「ある程度のことはできた。でもたとえば、歩行ペースで心拍数が最大値に達してしまうといった状態だった。それほどひどかった」

「かなり心配したのは事実だ。でもできるだけ早く回復できるよう、僕たちは全力で取り組んだ。そしてある程度具合が良くなってからは、完全なトレーニングに移行した。そこからは一気に体力が戻ってきた」

 現在はフィジカル面で「データのほとんどの数値は2022年よりも高くなっている」とオコンは語った。

「チームとコーチ陣とともに一丸となって、昨年の体力レベルに戻れるよう最高の仕事をした。でも途中で回復が足踏み状態になった期間がかなりあって、その時は心配したよ」

「人体というのはとても奇妙なマシンだ。だがマシンというわけではない。だからクルマのように急いで直すことはできない。そこが難しいところだ。でもそういうものとして受け入れるしかない」

「もう治らないのではないかと、怖くなった時期もそれなりにあった。今はまったく健康だ。でも悪化したときは早かった。ああいったウイルスは非常に強力だ。本当に、みんなが注意する必要がある」

エステバン・オコン(アルピーヌ)

 オコンにとって好運だったのは、2022年シーズンがFIFAワールドカップのカタール大会に対応するために早く終了し、例年よりもオフの期間を長く取れたことだ。

「2022シーズンが11月に終了し、いつもよりオフシーズンが長かった。リラックスし、充電するための期間を長く取れた。何よりも大きいのは、また長丁場の過酷なシーズンが始まろうとしているが、そのための準備期間をしっかりと確保できたことだ」

「このオフシーズンは新しい物事にチャレンジできたし、トレーニングにもしっかりと取り組めた。準備万端だ。シーズン開幕がとても待ち遠しい。いつでも来い!」

 今では病気が快癒したオコンは、ドライバーズ選手権で8位となった2022年の快進撃の勢いをそのまま維持しようと意気込んでいる。オコンが僚友のフェルナンド・アロンソとともに力を尽くした結果、アルピーヌはコンストラクターズ選手権でマクラーレンを上回り4位につけることができた。

 アロンソは2022年でチームを去り、今年のオコンは、アルファタウリから新たに移籍してきた同じフランス人のピエール・ガスリーとともにレースをすることになる。

「ピエールがチームに加わるだなんて、僕たちにとってもチームにとっても、信じられないようなストーリーだ。ピエールと僕は子どもの頃からの知り合いで、一緒にノルマンディーで育った。F1でレースをするというふたりの夢がかなった上に、今では同じチームにいるなんて、本当にあり得ないほど好運だ」

「ジュニアカテゴリーでは違う経歴を歩んで来たが、ピエールがアルピーヌファミリーの一員になることにわくわくしている。彼はチームにうまく溶け込めると確信しているし、僕のチームメイトになるなんて本当にうれしいことだ」

「僕にはわかるが、ふたりともシーズンが開幕し、チームの目標達成に向けて走ることができるのを心待ちにしている」

エステバン・オコン&ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

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