一足早く卒業生の門出おいしく祝う 大田原・佐久山小 「福原餅つき唄」交流会

保存会のメンバーと餅つきを楽しむ児童たち

 【大田原】市指定無形民俗文化財「福原餅つき唄」の保存会と佐久山小児童との交流会が21日、同校で開かれた。世代間交流で伝統を引き継ぐとともに、卒業を間近に控えた6年生15人の門出を一足早く祝った。

 餅つき唄は1180(治承4)年、平家追討の旅に出る那須与一宗隆(なすのよいちむねたか)の出陣を祝い、福原地区の領民が激励の餅をついたのが始まりとされる。交流会は福原小で長年行われてきたが、同校は2020年4月に佐久山小と統合。新型コロナウイルス禍もあり、3年越しで統合後初めて開かれた。

 交流会には保存会メンバー11人が15キロのもち米を用意して参加。全校児童85人はリズミカルな動きに合わせ、餅つき唄を披露。最後は6年生も餅つきに加わり、きな粉やあんこに絡めたつきたて餅を味わった。

 6年広瀬咲稀碧(ひろせくれあ)さん(12)は「保存会の方にエールをもらったので、中学に入っても頑張りたいです」と笑顔。保存会の佐藤文輝(さとうふみてる)会長(83)は「子どもたちも一緒に歌ってくれ、温かみのある会になりました」と話していた。

保存会のメンバーと餅つきを楽しむ児童たち

© 株式会社下野新聞社