“猫目”に囚われた斎藤工 飼い猫を抱き上げる姿 猫目の風俗嬢との出会い 「零落」本編映像

2023年3月17日より劇場公開される、浅野いにおによる同名漫画の映画化作「零落」から、“猫目”に囚われている元人気漫画家の深澤薫(斎藤工)の姿を捉えたシーンの、本編映像が公開された。

映像では、”今でも猫顔の女性と会うと緊張してしまうんだ”という心の奥底にある深澤の思いとともに現れる、深澤が新人漫画家時代に交際していた“猫みたいな目をした”女性 (玉城ティナ)の目元のクローズアップが映し出される。さらに、無気力で鬱屈(うっくつ)した日々を過ごす深澤が飼い猫のチーにエサをやり抱き上げるシーン、“猫のような目をした”ミステリアスな風俗嬢・ちふゆ(趣里)との出会いの様子が切り取られている。

「零落」は、浅野いにおによる同名漫画を映画化した作品。竹中直人が監督を務めている。“元”売れっ子漫画家の深澤は、次回作のアイデアも浮かばず、担当編集者からはぞんざいに扱われ、敗北感を募らせる。そんな深澤は、虚無感を抱えたまま立ち寄った風俗店で、猫のような目をした「ちふゆ」と名乗る風俗嬢と出会う。 自分のことを詮索せず、ただ「あなたはあなた」と言って静かに笑う「ちふゆ」に、急速に惹かれていく深澤。 ある日、深澤は「ちふゆ」とともに彼女の故郷へと向かうことになる。斎藤工が主演し、趣里、MEGUMI、玉城ティナ、安達祐実らが顔をそろえる。

一足先に本作を鑑賞した著名人のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■奈良美智(美術家)
まるで自分の半生を観ているようだ。理解されない悔しさは虚無に吹き飛ばされ、迷い込んだ道に出口は無い。
しかし、そこからこの物語は生まれた。人生はまだ半分残っている。

■燃え殻(作家)
見たことある気がする、あの瞳、あの絶望。

■吉田豪(プロインタビューアー/プロ書評家)
浅野いにお先生にお洒落サブカルなイメージを抱いてる女性ファンを突き放すかのような作品『零落』は、実は現実とかなりシンクロした内容でそこがボクの大好物だったりするんですが、映画版『零落』はそんな原作をかなり忠実に再現していました。というか、原作よりもエグい描写もあったりして。そして出演の趣里さんも、あまりにも適役すぎてすごかったです。誤差ほぼゼロ。

■安藤玉恵(俳優)
それでも結局白い紙の前に座って線を入れ始める…。
共感など無意味だと全身全霊で生きる主人公の孤独に引き寄せられた人たちがこのあと、傷を癒やして、幸せになりますようにと思いました。

■片岡礼子(俳優)
登場人物を愛しいと思うほどに 悲しくなる、
1秒も甘えさせてくれない映画。皮肉にもそこに惹かれた。彼の佇まいが艶やかな香りのようで行き場なくそこに残る。

■永野(芸人)
ラッセンのネタでブレイクした後に「歯を磨いてタケダさん」というネタを「良かれと思って」作って鬱になった事を思い出しました。斎藤工が自分勝手な主人公を見事に演じてました。

■中井 圭(映画解説者)
売れれば勝ちの現代に表現と対峙する時、純粋さは周囲を傷つけるが、誰より自分を深く傷つける。斎藤工を起用した竹中監督の人間を見つめる目に驚き、絶望に取り憑かれた漫画家を恐ろしい精度で演じた斎藤工と共に、我々は孤独を抱える。

■SYO(物書き)
創作者の皮膚を剥ぎ晒す斎藤工の内臓みある演技に救われる自分がいた。僕たちはみな心に狂気を飼っている。
どれだけ取り繕おうとも、同じ地獄を往くのだ。業火に焼かれながら。

■Ed TSUWAKI(イラストレーター)
身につまされました...
名もない男でいられなかったかなしき、恋。
それもまたよし。で。
斎藤工さんがとにかく素晴らしかった。竹中直人監督が新章に入られたと
強く思いました。

■しんのすけ(映画感想 TikTok クリエイター)
「好きなことで生きていく」を叶えた人、目指している人はこの映画を観ない方がいいかも知れません。いや、やっぱり観た方がいい。観なきゃいけない。
この主人公が零落(落ちぶれること)した先に待つ絶望と希望を知った僕は、ずっと怯えて生きるのです。

【作品情報】
零落
2023年3月17日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー
配給:日活/ハピネットファントム・スタジオ
©2023 浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会

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