トイレに落ちたスマホをつかみ取れ 右腕を鉄筋に貫かれた男の悪戦苦闘 「ホーリー・トイレット」本編映像

2023年3月3日より劇場公開される、仮設トイレ内だけで全編が進行するスリラー映画「ホーリー・トイレット」から、本編映像の一部が公開された。

公開されたのは、仮設トイレの中で右腕を鉄筋に貫かれた状態で目覚めたフランクが、便器に落ちたスマホに掛かってきた妻マリーからの着信に出ようと、必死で試行錯誤をするシーン。便器の汚水の中に手を突っ込みスマホをとろうとするが、腕の痛みと強烈な匂いに阻まれ、スマホをつかみ取ることができない。「電話にでろ」と音声操作を試みるが、「音楽をかけますか?」とうまく反応してくれない。そして、着信に出られないまま、留守電へと切り替わってしまう。スマホからは妻からの悲痛な訴えが聞こえてくるが、フランクにはどうすることもできないのだった。

「ホーリー・トイレット」は、頭部を負傷して意識を失い、リゾートホテルの建設現場で横倒しになった仮設トイレの中で目を覚ました建築家フランクを描いたスリラー。記憶の一部がなく、異常な状況がのみ込めないフランクは、トイレの周りに大量の解体用ダイナマイトが仕掛けられ、34分後に爆破が行われることを知る。この非常事態を生き延びるには、誰かに助けを求めるか、もしくは自力で脱出しなくてはならない。だが、右腕に鉄筋が突き刺さって動けないうえに、友人である市長ホルストの邪悪な思惑が明らかになるという状況の中、時間だけがむなしく過ぎていく。

本作の最大の特徴は、仮設トイレ内だけで全編が進行するという設定。孤立無援のフランクが味わう底なしの恐怖と焦燥感、鉄筋が刺さった腕の激痛が描かれる。そして、スマートフォン、アタッシュケース、折りたたみ式の定規などの小道具を駆使したトイレ内部の描写に加え、限られた視界でしかのぞくことができない外部の状況の変化もスリルを生み出している。監督・脚本はルーカス・リンカー。

【作品情報】
ホーリー・トイレット
2023年3月3日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
配給:アルバトロス・フィルム
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