新入学児にランドセル 島原市が県内初、来春支給へ 新年度当初予算案

 長崎県島原市は22日、3月1日開会予定の定例市議会に提出する2023年度一般会計当初予算案など22件を発表した。一般会計の総額は前年度比0.3%増の241億6400万円。子育て支援として、24年春の新入学児童にランドセルを支給する事業費611万円を盛り込んだ。
 歳入のうち市税は、固定資産税の減免措置終了などの影響で前年度比3.3%増の45億8100万円を見込む。歳出は、全体の約3割を占める扶助費が64億8100万円(前年度比0.4%減)。
 ランドセル支給事業は、保護者の経済的負担の軽減などを図る目的。市によると、県内初の取り組み。教科書のA4サイズへの変更によるランドセルの大型化とタブレット端末の持ち帰りによる重量増加、近年の価格上昇などを考慮し、約900グラムの軽量リュック型ランドセルを来年3月ごろ配布する予定。対象は約370人を見込む。
 新年度の早い時期から保育施設などで事業の周知を始める。次年度も継続する方針。古川隆三郎市長は会見で「毎日使うものなので、子育て支援として支給を考えた。保護者の負担感を和らげたい」と述べた。
 このほか、四つの国登録有形文化財と国登録記念物(名勝地)を有する同市城内2丁目の武家屋敷「小早川家住宅」(小早川邸)を民泊などに活用する事業費658万円を計上。1890年に建てられた木造平屋(一部2階建て)の母屋や湧水庭園などを管理・活用しながら、交流人口の増加を図る活動に従事する地域おこし協力隊員を採用する方針。
 また総額2億6200万円の本年度一般会計補正予算案を発表。補正後の一般会計総額は265億900万円(前年度比1.3%減)。


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