ドジャースは強さを維持できるか 番記者による3つの注目ポイント

昨季、球団新記録となるレギュラーシーズン111勝をマークし、地区2位のパドレスに22ゲーム差をつける圧倒的な強さを見せたドジャース。ところが、今オフはライバルのパドレスが積極的な動きを見せるなか、比較的地味な補強に終始した。日本時間2月26日のブリュワーズ戦からオープン戦の戦いがスタートし、同3月31日にはダイヤモンドバックスとの開幕戦を迎えるが、ドジャースは昨季までの強さを維持できるのだろうか。メジャーリーグ公式サイトでドジャースを担当するフアン・トリビオ記者は3つの注目ポイントを挙げている。

1つ目は「センターラインを固定できるのか」ということだ。2021年オフにコリー・シーガー、今オフにはトレイ・ターナーがチームを去り、今季はギャビン・ラックスが二塁から本職の遊撃に再コンバートされる予定だ。空いた二塁には有望株ミゲル・バルガスが抜擢される見込みだが、バルガスはマイナーで三塁がメインだったため、当初は二塁マックス・マンシー、三塁バルガスの布陣が予想されていた。「二塁バルガス」は今季のドジャースの戦いのカギを握る選手起用の1つとなるだろう。また、コディ・ベリンジャーが抜けた中堅はトレイス・トンプソン、ジョシュ・アウトマン、クリス・テイラーらの併用が予想されている。

2つ目は「ノア・シンダーガードはかつての姿を取り戻せるのか」ということだ。昨季エンゼルスとフィリーズで合計10勝を挙げたシンダーガードだが、トミー・ジョン手術明けということもあり、以前のパワーピッチングは見られなかった。今季はドジャースでクレイトン・カーショウとフリオ・ウリアスの両左腕に次ぐ先発3番手もしくは4番手としての活躍を期待されるが、トミー・ジョン手術のリハビリで全休確実のウォーカー・ビューラーの穴を埋めることはできるだろうか。なお、昨季の4シームの平均球速は94.1マイルだったが、デーブ・ロバーツ監督によると、キャンプ序盤のブルペン投球で94マイル前後を計測しており、今後さらに球速は増していきそうだ。

そして、3つ目は「どの若手投手がチャンスを掴むのか」ということだ。今季はビューラーが不在のため、先発ローテーションはカーショウ、ウリアス、トニー・ゴンソリン、シンダーガード、ダスティン・メイという布陣になるが、ウリアス以外の4人は故障リスクを抱えている。よって、故障者発生時の代役となる若手投手の成長が重要となる。ライアン・ペピオ、マイケル・グローブ、アンドレ・ジャクソン、ギャビン・ストーン、ボビー・ミラーと層は非常に厚く、「彼らの成長は重要だ」とロバーツ監督が語るように、ドジャースが先発投手のコマ不足を回避するためのカギは彼らが握っていると言っても過言ではないだろう。

データサイト「ファングラフス」の予想では、パドレス(93勝69敗)がドジャース(88勝74敗)を上回っている。トリビオ記者が挙げた3つの課題をクリアし、ドジャースがナショナル・リーグ西部地区の覇権を守ることができるか注目だ。

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