ジョナサン・レイ「フィーリングは良かった。ただシフターに問題が出た」トロイ・コーサーの出走回数377回を上回る/SBK

 2月25日、2023年SBK第1戦オーストラリアの決勝レース1がオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで開催され、序盤にトップを走っていたジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)は、アルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducati)に抜き返されて2位となった。レイはマシントラブルを抱えていたという。

 レイは初日のFP1、FP2は気温が上がったことで苦戦したが、土曜日は雨で涼しくなりライバルとの差は小さくなった。スーパーポールでは4番手となったが、レース1ではオープニングラップに10コーナーで首位のバウティスタをパスしてレースをリードした。

「僕らの前に走ったWSSのライダーがナーバスになっていて、僕らのレースが始まる前から不安になってきた。(WSSで表彰台を獲得した)ジョン・マクフィーには大きな拍手を贈りたい。レース後にパルクフェルメに行って、彼にフルウエットのコンディションがどうだったかと聞いたんだよ」と雨のWSSのレース1の状況を参考にしたとコメントした。

「それでレース1はフルウエットのセッティングで臨むことにしたんだ。スタートもうまくいったし、フィーリングも良かった。ウェットコンディションでも良かったね」

2023SBK第1戦オーストラリア レース1

 レース序盤は約1秒ほどギャップを築いたが、10周目に3コーナーでバウティスタに抜き返された。先頭を走るパフォーマンスを見せたレイだったが、次はマシンにトラブルが出てしまった。

「ただ、そのあとクイックシフターに問題が出てしまった。シフターなしでどうやって走るのか、もう一度勉強し直さなければならなかった。昔ながらのライディングに戻ったね」とクラッチを握ってシフトチェンジをしたことを語った。

「アルバロ・バウティスタに抜かれたとき、彼が僕より優れているところもあれば、僕のほうが優れているところもあることがわかった。僕はクイックシフターがないから、適応しようとしていた。特にタイヤの端を使っている時にアクセルを開けるのは、エンジンからネガティブなトルクが発生して難しいんだ。フルアングルでは簡単にリヤを失う」

「プッシュすればするほど、抱えていた問題が増えていったが、問題はアルバロが離れていき、後ろにトプラクが迫っていたから、どうしても頑張るしかなかったことだ。だからナーバスなレースになったし、コンディションも(昨年開催された)11月の時ほどグリップしていなかった。レース前の目標は表彰台で、それを達成し、ポイントをたくさん獲得することができた。グリッド上ではレースは自分たちのものになると思ったが、今日はそうではなかった」

ジョナサン・レイとトロイ・コーサー/2023SBK第1戦オーストラリア

 幸いにも2位表彰台を獲得したレイは246回目の表彰台を獲得した。レイはこのレースが378回目となり、出走回数377回のトロイ・コーサーを上回った。現地にはコーサーがいて、レイとツーショットの撮影もしていた。

 レイは「素晴らしい瞬間にいる。経験してきたことを感じている。2008年にWSSで、2009年にSBKにフル参戦をはじめたから、この仕事に就けてよかったと思っている。素晴らしい方々と一緒にいれて本当に幸運だよ。この旅でたくさんの友達に会った。SBKに多くの借りがあり、それに貢献したよ」とコメントした。

© 株式会社三栄