1月の寒波で幼果凍死 長崎「露地ビワ」76%減収見込み 推定被害額5億超え…

凍死して黒く変色したビワの幼果(県提供)

 1月に到来した寒波の影響について長崎県などが特産の露地ビワの被害状況を調べたところ、県内の収量は平年から76%減る見込みとなった。大半が長崎市内で、推定被害額は5億3千万円に上る。寒害としては平成以降で、2016年と12年に次ぐ規模になる恐れがある。
 県農産園芸課によると、同市茂木地区や大崎地区など24カ所のサンプリング調査で判明した。市内では露地ビワの「幼果」の76%が凍死。露地ビワの県内平年収量は680トンで98%以上を同市産が占めるが、4分の3の収穫が見込めないことになる。暖房付きのハウス栽培に生育被害はないが、強風で簡易ハウスが壊れるなどの被害(計1100万円)も確認されたという。
 県内では1月24日から25日にかけて氷点下を観測。同課によると、ビワの「幼果」はマイナス3度に4時間さらされると4割が凍死するとされる。
 今月27日の長崎市議会一般質問で、久八寸志議員(公明)が被害状況について質問。市水産農林部の向井逸平部長は「非常に深刻」と述べ、被害農家の経営再建や共済制度への加入促進などに向けた対策を検討する考えを示した。


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