学びやに「さようなら」 新上五島・今里小で閉校記念式典 149年の歴史に幕

風船を空に放つ児童ら=新上五島町立今里小

 来月149年の歴史に幕を下ろす長崎県の新上五島町立今里小(花田直樹校長、12人)の閉校記念式典(町、同校閉校記念事業推進委員会主催)が26日、同校であり、在校生や住民ら計約150人が学びやとの別れを惜しんだ。新年度から町立青方小に統合される。
 町教委によると、同校は1874(明治7)年に第五大学区第五中学区浜ノ浦小今里分校として創立。1941年、浜ノ浦村今里国民学校となり、47年に学制改革で浜ノ浦村立今里小と名称を変えた。59年には最大の285人が在籍したが、過疎化に伴い児童数は減少。今里小に改称後の卒業生は、本年度の3人を含め1778人。
 式典で花田校長が「築き上げられた年輪の大きさを思い、有終の美を飾るためみんなで取り組んできた」と話し、児童らへ「安心して新しい環境へ一歩踏み出し成長していってください」とあいさつ。校旗を山本元之町教育長に返納した。

除幕された閉校記念碑=新上五島町立今里小

 児童らの合唱や演舞、記念碑の除幕式の後、別れと旅立ちの思いを込めて児童らが風船500個を大空に放った。あちこちから「ありがとう」「さようなら」の声が上がった。3年の福永渚爽(なぎさ)君(9)は「さみしいけど、青方小に行くのが楽しみ」と笑顔で話した。
 校舎などは子育て関係の施設としての活用が検討されている。


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