「はだしのゲン」に続き…「第五福竜丸」も記述なくなる 広島市平和教材

広島市教育委員会による平和教育教材の内容の見直しで、新年度からの中学生向けの教材からマグロ漁船「第五福竜丸」の記述がなくなることが分かりました。

静岡県焼津港所属の第五福竜丸は1954年、太平洋で操業中にアメリカの水爆実験による「死の灰」を浴びて乗組員全員が被ばくしました。

広島市教委によりますと、現在の広島市教委の中学3年生向けの教材では、核兵器をめぐる世界の現状について学ぶ際に導入部分として第五福竜丸の被ばくに関する記述がありました。

ところが、これについて教材の検証会議が、「第五福竜丸が被ばくしたという記述のみにとどまり、被爆の実相を確実に継承する学習内容となっていない」と課題を指摘。このため、新年度からの教材では記述をなくし、地図や表・グラフなどから具体的にとらえられる資料に変更されたということです。

市教委では、第五福竜丸は中学3年生の社会科の教科書で原水爆禁止運動のきっかけとして取り上げられていることから、「今後も教科書と関連付けながら教えていく」としています。

広島市教委の平和教育の教材をめぐっては、漫画「はだしのゲン」が新年度から使われず、別の内容に差し替えられることになっています。

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