介護予防のプロが感じた住民主体の大切さとは?農業の再興で市政に光を はやしもと光広氏(PR)

和歌山市内で理学療法士を務めるはやしもと光広(はやしもと・みつひろ)氏は、同市の介護予防事業に携わる中で「住民主体のまちづくり」の大切さに気付いたといいます。介護や医療のプロとして、また、和歌山市にIターンをして約25年間住む市民の一人として、高齢化や人口減少への対策のアイデアを打ち出しています。自身の名前をもじった「わかやまに光を広める」を合言葉に掲げていますが、和歌山市に光を当てるためのプランとその狙いとは?お話を伺いました。

貧困から日本の政治に絶望。見直すきっかけは娘の「結婚」

選挙ドットコム編集部(以下、編集部):

何がきっかけとなって政治家を志すようになったのでしょうか。

はやしもと光広氏(以下、はやしもと氏):

「娘の結婚事件」は大きなきっかけになりました。

約10年前、カナダに留学していた高校生の娘から「留学先で知り合った韓国人の彼氏と結婚する。日本にはもう帰らない」と連絡がありました。突然のことで驚いたと同時に、当時は日韓関係が一際緊張していた時期でしたので外国に嫁がせる選択ができませんでした。

娘を説得するための材料として思いついたのが日本の歴史です。私は日本の歴史や先人たちを誇りに思っています。娘にも自国の歴史を正しく伝えて、いかに素晴らしい国かを知ってもらえば、日本に帰ってきてくれるのではないかと考えたからです。

しかし、説得のために歴史を学び直していく途中、娘たちが学校で教わってきた日本の歴史がいかに自虐的なものか気付いたのです。このような教育を受けていては、若者世代が未練なく自分の国を捨てようと思うのも無理はないな、と。一方で、中国や韓国の経済成長が著しい中で、若者がこの国に誇りを持てない状態が続けば日本の存続すら危うくなるという強い危機感を抱きました。

子どもの教育を変えるために政治に直接関わりたい、いや、関わっていかなくてはならないと強く思いました。

編集部:

元々、政治に関心が高かったのでしょうか。

はやしもと氏:

政治への関心はありました。ただ、自分が苦しんでいる時に政治が救ってくれなかった原体験があったため、遠ざかっていた時期がありました。

私が大学に入学したとき、家業だった鉄工所が倒産して両親は離婚。自分で生計を立てなければならなくなりました。当時はバブル経済期でしたが、働いても働いても、税金や生活費、大学の授業料を払うと手元にはお金が残りません。借金もしました。いくら頑張っても這い上がることすらできない。一方で、世の中を良くしてくれるはずの政治の世界では特権階級ばかりが優遇されているように見えました。世の中は困っている人に優しくないと身をもって実感したのです。

この30年間、こうした世の中の流れを変えようと、「劇場型」の政治や選挙を展開する政治家がたびたび現れました。しかし、盛り上がった後はどうなったでしょうか。一向に世の中はよくなっていませんよね。反対に、市民のための政策を訴える候補者はそもそも選挙で当選しにくいし、通っても政策実現にはなかなか至らない。今の政治はもう良くならないとあきらめていました。

しかし、娘の事件を機に、わたしたち国民が政治に無関心では日本がなくなってしまうと思い直しました。

編集部:

現在はどのように関わっているのでしょうか。

はやしもと氏:

政治に関わると決断し、勉強会などに参加している時に知ったのが神谷宗幣さん(現 参議院議員)でした。彼は元吹田市議会議員でしたが、彼もまた一時期、政治を諦めたことがあったようです。講演を聴き、彼の主宰する勉強会に通い、研修旅行などを通じて、日本に対する危機感が共通していると分かりました。

2020年に神谷さんたちが立ち上げた参政党に入党し、政策実現のための活動を本格化しました。妻と参政党で初めての地域支部となる和歌山支部を立ち上げ、2022年参議院議員選挙では選対本部長も務めさせていただくなど、各地で活動して輪を広げています。

和歌山の魅力を回復させる 住民主体のまちづくりを

編集部:

はやしもとさんが思い描く和歌山市の理想像を教えてください。

はやしもと氏:

自然が残る和歌山には、誇るべき歴史と文化があります。しかし、残念ながら和歌山と言えば白浜の「アドベンチャーワールド」やロケット発射場で湧く「串本町」、熊野古道で有名な「新宮・田辺・那智勝浦」というように、観光地ばかりが認知されています。

和歌浦や雑賀崎は空き家が目立つものの、過去には新婚旅行先として日本一と言われてきました。最近はイタリアの「アマルフィ」の風景に似ていると話題になっています。若い力と新しい発想で、まだまだ魅力を引き出すことができるはずです。

全国や海外からも注目されるまちづくりと、一次産業を促進して安全安心な食を提供することで、食料自給率の向上にも貢献できる力強い地方都市をつくり、若者が帰って来たくなる「和歌山市」を目標にしています。地方が元気になれば国も元気になる「わかやまに光を広めるはやしもと」を合言葉に活動しています。

編集部:

そのために必要な政策をどのように考えていますか。

はやしもと氏:

まずは、住民主体の地域づくりです。

理学療法士として約30年間、医療や介護予防、終活に携わってきた経験から必ずできると確信しています。私が所属している和歌山県理学療法士協会は、同じくリハビリ専門職団体の作業療法士会・言語聴覚士会とともに、2016年から和歌山市の「介護予防に資する地域の通いの場づくり」を受託しています。官民連携による市内で初めての介護予防事業で、私は担当役員として携わってきました。

高齢者と周辺の地域住民の交流による介護予防を目的とする「通いの場」の活動は住民に考えて、決めてもらいます。健康維持のための「WAKAYAMAつれもて健康体操」を週1回以上実施するのに加えて、会食やカラオケ、旅行などを自由に企画してもらっていますよ。市民が地域内で役割を任されると、リタイア後に活躍の場を失っていた高齢者まで生き生きし、健康になる姿を見てきました。現在、通いの場は市内に100カ所以上広がっていますが、まだまだ拡充していきたいです。

こうした柔らかい人間関係が始まると、誰かが具合が悪くなった時に他の人が様子を見に行ったり、代わりに買い物にいったりするなど、お互いを見守りあう「互助」の関係に自然と発展します。こうした関係ができていれば、災害時に行政からの支援が届くまで市民同士が支え合えるのではないでしょうか。

住民が主体的にまちに関わることは、市政全体にとって必要な視点だと思います。

編集部:

初めての事業ではご苦労も多かったのでは。

はやしもと氏:

確かに、行政と、団体間の調整は慎重に進めましたね。

まず、和歌山市に通いの場の必要性を理解してもらうために、先行事例の大阪府大東市の取り組みを市職員とともに視察しました。行政は前例があると動きやすくなりますので、現地を見てもらったのです。当時の担当職員の方にも実施の同意をもらい、動き出しました。

次に壁となったのが実施体制でした。リハビリ専門職が公務員として所属している大東市と異なり、和歌山市は人口が多い上に、リハビリ専門職の公務員がいないので、私たちのような民間の医療機関の参画が不可欠でした。ただ、同じリハビリテーションに携わる理学療法士協会と、作業療法士会、言語聴覚士会の3団体は、それまで関係性が薄かったのです。そこで、関係を築き上げるところから始めました。結果的には、市の事業に3団体が連携して当たることで、リハビリテーション専門職の新たな職域をつくることに多少は貢献できたのではないかと自負しています。

オーガニック食材の活用、就業促進で、農業に光を当てる!

編集部:

政治家を目指すきっかけとなった教育に関しては、現在どのような政策を考えていますか。

はやしもと氏:

食育と一次産業の推進」です。

和歌山市は豊かな水源と土壌を備え、農業が盛んです。しかし、和歌山県のカロリーベースの食料自給率は27%(農林水産省公表、2020年度概算値)と他の自治体と比べても低い水準にあります。

そこで、学校給食の献立を地元産のオーガニック野菜中心とすることを提案します。合わせて、農家での野菜づくり体験など教育活動を展開し、生産者と子どもたちと顔の見える関係を構築し、一次産業の担い手が敬われるような環境づくりを推進したいと思っています。

農業を振興し、食料自給率を引き上げることは食料の安全保障、つまり国防にもつながります。そのための予算確保が必要です。何もミサイルを買うだけが国防ではありません。

編集部:

農業の重要性をどのように位置づけていますか

はやしもと氏:

食の安全保障に加えて、人口の県外流出を食い止めるカギにもなると考えています。

今の農業政策では生計が立てられず、家業を継がないという理由で優秀な人材が都市部に流出してしまっています。

和歌山市は水と土に恵まれていますが、稼げないために耕作放棄地が増えてきています。

予算を充当して耕作放棄地での適地適作、地場野菜の市場拡大に取り組むことで、農業の再興ができるのではないでしょうか。

海外ではエリートこそ農業に就業するようになっていますので、和歌山市でもこのように価値観を転換させていきたいです。農業にスポットライトを当てた農家の待遇改善を目指します。

編集部:

人口流出対策として、他のアイデアがあれば教えてください。

はやしもと氏:

和歌山市には農業に加えて観光資源が豊かなのも特徴です。

市の沿岸部に位置する雑賀崎は最近、イタリアの港町のアマルフィに似ているということで「和歌山のアマルフィ」と呼ばれ、若い世代からの注目を集めつつあります。美しい風景と空き家を活かして、アーティストやIT人材の移住を促すことも一手だと思います。

自分が挑戦して次世代に道を切り開きたい

編集部:

リフレッシュの方法を教えてください。

はやしもと氏:

仲間たちとワイワイ楽しく宴会するのが好きなので、何かと理由をつくっては飲み会の幹事をすることです。

また、初めて訪れるお店でも、大体はすぐに覚えられるのですが、その理由のひとつは「めっちゃ旨そうに食べるし飲むし何より楽しそう」と言われることがよくありますね。

鯨が好きなので、いつまでも鯨を安価に食べ続けたくて「捕鯨問題から政治を考える会」と称して、勉強会と鯨料理店での宴会とセットで企画することもあります。

お水の講演会と宴会、宿泊、自然栽培の現地視察を含めたイベント企画は、とても好評で県外からの参加者も多く、毎年開催をリクエストされています

編集部:

最後に、メッセージをお願いします。

はやしもと氏:

転職を機に和歌山市に移り住んでから、もう約25年が経とうとしています。理学療法士として訪問看護ステーションなどを経営し、主に身体に障害を持っている方々の在宅療養などのサポートサービスを展開しています。これまでに500人以上の方々の人生の最期に寄り添わせていただきました。

通いの場づくりに参画した時にも実感しましたが、縦割りの行政に横串を通すことが、自分に合っているような気がします。

また、参政党では2022年参院選で選対本部長を務め、支援者がやりがいを感じ、楽しく、また活動に携わりたくなるような運営を心がけ、支援の輪を広げられたという手ごたえがあります。チームづくりとチームの運営が得意なので、市政にもぜひ生かしたいです。
自分が挑戦することで次世代に道を切り開き、行政と協力して政策実現ができる立ち位置を目指したいと考えています。

【はやしもと光広氏のプロフィールページはこちら

© 選挙ドットコム株式会社