ウッズに飛距離で負けたから… マキロイが1Wをステルス2+に変更

マキロイは「ジェネシス招待」予選ラウンド2日間をウッズと同組で回った(撮影/田辺安啓(JJ))

こと使用する用具の選択となると、ロリー・マキロイ(北アイルランド)は用意周到である。いかなる変更も深い熟慮の末のものであり、用具を交換する場合には明確な理由がある。

自身にとって2023の年PGAツアー初戦となった「WMフェニックスオープン」でプレーした際、テーラーメイドの新モデルであるステルス2 プラスの3Wと5Wをバッグに入れていた。しかしながら、ドライバーに関しては昨年モデルのステルス プラスを使用していた。

ところが、次に出場した「ザ・ジェネシス招待」で珍しく大会期間中に用具変更を敢行したのである。オープニングラウンドはステルスプラスドライバー、残り3日間をステルス2 プラスドライバーでプレー。そして、「アーノルド・パーマー招待」に出場するためフロリダ州オーランドに来た彼のバッグにも、そのままステルス2プラスが収まっている。

なぜ、「ジェネシス」の大会中に急なドライバー変更を行ったのだろうか?

「タイガーが僕をアウトドライブするのがイヤになったんだ」。マキロイはベイヒルクラブ&ロッジで水曜日に行われた記者会見の場で、笑いながら話した。

今季PGAツアーのドライビングディスタンス(平均飛距離)で首位に立っており(328.7yd)、この言葉が冗談であるのは容易に理解できる。しかし、スタッツを詳しく見てみると、そこにはまた別のストーリーがある。「ジェネシス」におけるドライバーの平均飛距離はマキロイの305ydに対し、予選ラウンドを同組でプレーしたタイガー・ウッズが306.3ydだったのである。

1Wを「ステルス2 プラス」に変更(提供:GolfWRX, PGATOUR.com)

きっかけは初戦の「フェニックスオープン」にさかのぼる。「プレーした際、自分のドライバーのスピン量が若干少ないことに気付いたんだ。だから、LA(リビエラ)ではドライバーのロフトを少し上げたんだ。ただ、僕はドライバーに関してフェースの角度にすごくこだわる。ロフトを上げたことで、当たり前だけど少しだけフェースが余分に見えるようになり、僕には少し左へ向いているように見えた。そして、リビエラの初日では一回もドライバーの芯に当たらなかった。僕は、何か別のことを試す必要に駆られたんだ」

「ステルス2のヘッドは少しスピン量が多く、それでいてよりニュートラルというか、僕にはフェースの角度がニュートラルに感じられた。もしかしたら、他の人には若干オープンに見えるかもしれないけれど、僕の目にはスクエアに見える。全てはフェースの角度だった。(初日を終えて)木曜の夜にリビエラでボールを打ってみたら芯を食うようになり、スピン量も、より一貫して僕が好む幅に収まるようになった。そこから新しいドライバーに乗り換えたんだ。実際、リビエラでの最後の3日間はとても良い感じでドライバーが打てたと感じたし、ここ1週間の練習でも調子はとても良いんだ」

ドライバーのフェース角度は、ロフトを上げると若干クローズとなる(ロフトを減らすと若干オープンになる)。フェースの角度がよりオープンに見えるものを好むマキロイは、若干スピン量が多いというステルス2 プラスをテストすることによって、それまでのセットアップで抱えていた問題に対する解決策を見出したのである。

今週のマキロイのバッグの中身は以下の通り。

ドライバー: テーラーメイド ステルス2 プラス(9度を7.5度に調整)
シャフト: 藤倉コンポジット VENTUS BLACK 6X

3番ウッド: テーラーメイド ステルス2 プラス(15度を13度に調整)
シャフト: 藤倉コンポジット VENTUS BLACK 8X

5番ウッド: テーラーメイド ステルス2 プラス(18度を16度に調整)
シャフト: 藤倉コンポジット VENTUS BLACK 9X

アイアン: テーラーメイドP760(3、4番)、テーラーメイド ロールズプロト(5番~PW)
シャフト: プロジェクトX 7.0

ウェッジ: タイトリスト ボーケイデザイン SM9(54-10Sを55度に調整)、ボーケイ ウェッジワークス プロト(58度を59度に調整)
シャフト: プロジェクトX 6.5

パター: テーラーメイド スパイダー ハイドロブラスト

ボール: テーラーメイド TP5x(#22)

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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