足利・大前保育所でありがとう会 少子化で廃止5年前倒し...46年の歴史に幕

「ありがとう会」で風船を空に飛ばす参加者たち

 【足利】市は1977年開所の大前保育所を本年度末で廃止することになり、さよならイベント「ありがとう会」が4日、同保育所で開かれた。園児と職員、早川尚秀(はやかわなおひで)市長ら関係者の約50人が参加し、思い出を胸に色とりどりの風船を空に飛ばした。

 廃止に当たり、同保育所は5日まで開放される。46年間の思い出の写真約180枚や、修了記念誌の展示をする。

 同保育所の廃止は市の保育所等整備計画で2027年度末の予定だったが、急速な少子化のため5年前倒しされた。本年度の在籍園児は9人。新年度以降も在籍する予定だった6人については、同保育所と保護者が協議し「大きな集団の中で子どもを育てたい」などの保護者の意向も踏まえ、近隣の施設に移ることになったという。

 「父母の会」の最後の会長となった大前町、パート室田千尋(むろたちひろ)さん(37)は「今春修了する三女まで3人の娘がお世話になった。毎日送り迎えした施設がなくなるのは寂しい。子どもがどんどん減っていくのは実感していたが、少人数で先生の目も行き届き、のびのび保育してもらった」と振り返っていた。

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