V長崎 “初白星するり” 終了間際に失点 清水と1―1 サッカーJ2

【V長崎―清水】前半45分、V長崎の澤田がシュートを放つ=トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第3節第1日(4日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=4試合)V・ファーレン長崎は終了間際に同点ゴールを浴びて清水と1-1で引き分け、今季初勝利はならなかった。通算1分け2敗の勝ち点1。
 V長崎は前半39分に今季初ゴールが生まれた。カイオセザールのキープから右へ展開。クロスボールを宮城が折り返し、走り込んだ鍬先が左足で流し込んで先制した。45分にもGK波多野のキャッチから素早いロングパスで速攻の決定機をつくったが、澤田の右足シュートは清水のGK権田に止められ、追加点はならなかった。後半はGK波多野の好セーブや相手のシュートミスで窮地をしのぎ続けていたが、ロスタイムに相手CKの流れから見事なドライブシュートを決められた。
 開幕2連勝だった藤枝は秋田に0-1、山形も磐田に1-2でそれぞれ敗れた。徳島と仙台は1-1で引き分けた。
 第3節最終日は5日、各地で7試合を実施する。第4節は11、12日、各地で計11試合が行われ、V長崎は12日午後2時から宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで栃木と対戦する。

◎攻撃連動、調子は上向き

 1点リードのまま、後半ロスタイムはすでに4分が経過していた。初勝利の期待は大きく膨らんでいたが、またも試練が待っていた。
 清水のFWが胸トラップから振り向きざまに右足を一振り。強い縦回転がかかったシュートはバーの手前で急降下し、V長崎のゴールネット左隅を突き刺した。好セーブを続けていたGK波多野も今回ばかりは一歩も動けず。選手たちは思わず天を仰いだ。これでシーズンをまたいで10戦勝ちなし。トラスタの歓喜が待ち遠しい。
 ぎくしゃくしていた第2節までと見違えるほど、V長崎は良くなっていた。トップ下に入った澤田が機転の利いた動きで縦パスを要求すると、周りも呼応。サイドアタッカーが流動的に仕掛け、これまで見せ場に乏しかった両ボランチも躍動した。先制シーンも狙い通りの形だ。J1から降格してきた優勝候補の清水に対し、的を絞らせない攻撃で翻弄(ほんろう)。カリーレ監督が掲げる組織的な攻撃をようやく体現した。
 足りないのは追加点を奪う姿勢だが、鍬先が「慌てて点を取りに行く必要はないが、前に出てくる相手の勢いを利用して点を取りに行った方が嫌だったと思う」と指摘すれば、米田も「もっといけるはず。2点目も取れる」と十分にわきまえている様子。手応えをさらに確かなものにして、つかみ損ねた初勝利を次節こそ手にする。


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