海ごみ使いサワラのオブジェ制作 備前・頭島 海洋環境に思い寄せて

カヤックをベースに、海ごみを取り付けたサワラのオブジェ

 備前市日生町の頭島にある海洋学習の拠点施設「ひなせうみラボ」に、海ごみを使ったサワラのオブジェが完成した。社会問題化している海ごみの削減に理解を深めてもらおうと、同市の一般社団法人「みんなでびぜん」が企画。市内外の小学生から大学生まで多くの人が昨年秋から制作に携わり、地元特産の魚もPRしている。

 使わなくなったカヤックをベースに、空き缶やペットボトル、プラスチック容器などの海ごみを取り付け、塗装も施して、瀬戸内海のサワラの形や艶(つや)などを忠実に表現した。全長3.9メートル、幅0.6メートル。2本の柱で支えられ、美しい海と頭島大橋がバックに映え、観光客らが興味深そうにカメラを向けていた。

 オブジェのそばには、地元漁協から提供してもらった廃船(長さ3.5メートル、幅1.25メートル)に、砂状の再生ガラスを入れた子ども向けの遊び場も整備した。瓶などをリサイクルした再生ガラスはサラサラとした手触りで、安全面に配慮している。

 5日は、全国の大学生ボランティアら約100人が参加し、仕上げの作業があった。リーダー役の同志社大3年明浄尊翔さん(21)は「近くで清掃活動もしたが、想像以上に海ごみがあった。オブジェを見て、ごみを捨てると魚たちがどうなるかを考えるきっかけにしてほしい」と話し、みんなでびぜんの船橋美可代表理事(68)は「身近な海洋環境に思いを寄せてもらう拠点になれば。多様な生き物がすむ豊かな里海を守るため、粘り強く情報発信を続けていきたい」と語った。

廃船に再生ガラスを入れた子ども向けの遊び場

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