燃え上がる炎 早春の訪れ告げる 津山・衆楽園で松のこも焼き

衆楽園で行われた松のこも焼き

 冬ごもりしていた虫がはい出すとされる二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」の6日、津山市山北の国名勝・衆楽園で恒例の松のこも焼きがあり、燃え上がる炎が早春の訪れを告げている。

 園の樹木を管理する市観光協会の職員4人が朝から作業。昨年10月にアカマツやクロマツ計約80本の幹に巻き付けたこも(幅45センチ、長さ180センチ)を木から外して集め、たいまつで点火した。こもは職員が竹の棒で持ち上げると、パチパチと音を立てながら勢いよく燃えていた。

 こも焼きは、越冬のため枝葉から地中に下りようとする害虫の習性を利用した伝統的な駆除方法。同園では朝露が冷気で霜に変わるとされる「霜降」の10月23日ごろにこもを巻き付けている。

 同協会の有木康二さん(33)は「梅の花が今見頃を迎えており、桜も例年3月下旬に咲き始める。園内を散策し、春を感じてほしい」と話している。

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