「孤島に戻るのでは…」 瀬戸内の島めぐるバス “広島便” 来月から全便運休へ 人口減とまらず

広島・呉市の安芸灘諸島と広島市内を直接結ぶバス路線「とびしまライナー」が、来月から全便運休することになりました。

島の住民たち
「もう、発表されたん? 決まりっていうこと?」
― 4月から運休ですけど
「そうですか」

「いや、知りませんでした。困ります。子どもが広島便で行ったり来たりしている」

安芸灘大橋を走るバス…。広島・蒲刈・豊島線、愛称「とびしまライナー」。

呉市にある大崎下島を起点に「とびしま海道」を通り、呉駅やクレアラインを経由して広島バスセンターまで乗り換えなしで直接、結んでいます。

日本遺産「御手洗」などの観光スポットを巡ることもできる人気の路線バスです。ルートはおよそ137キロ、所要時間は2時間40分。運行しているのは、大崎上島町にある「さんようバス」です。

毎日、8便・4往復を運行しています。しかし、新型コロナの影響で乗客が激減し、3年前からは半分の4便については呉駅前から広島バスセンター間を運休しています。

毎週利用している人
「楽ですよ。最高、4本あったのが、間2本抜けた。1本で帰れるので重宝しています」

こうした中、コロナ禍による生活スタイルの変化や少子高齢化による人口減少で乗客が増えることはなくなりました。

さらに燃料の高騰などもあって、「さんようバス」は当面の間、全便を運休すると発表しました。3年前からの累積赤字はおよそ5000万円に上るということです。

島の住民たち
「バスもなくなったら、ここは、昔の孤島に還るんじゃないんかね。ちょっと困りますよね。人口もどんどん減ってね、びっくりするほどいなくなった。そうなると、やっぱり(バスの便が)少なくなるよね」

とびしまライナーの運休後、広島方面に向かうには、別会社が運行するバス路線に乗車し、JR広駅で乗り換えが必要になります。

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