世界平和に向け国際社会が連帯を 駐日ジョージア大使、岡山で訴え

松田社長(左端)と懇談するレジャバ駐日大使(右端)ら

 ロシアと隣り合うジョージア(グルジア)のティムラズ・レジャバ駐日大使(34)が6日、ロシアのウクライナ侵攻について考える岡山市内のフォーラムに合わせて山陽新聞社(同市北区柳町)を訪れ、世界の平和に向けて国際社会が連帯を深める必要性を訴えた。

 大使は、松田正己社長と懇談。ジョージアが2008年にロシアの軍事侵攻を受け、今なお領土の一部が占領されている状況に触れ、「国土にロシア軍がいる緊張感は同じで、国際社会も認めてはならない。今後もウクライナの立場を一貫して支持したい」と述べた。

 松田社長は「正確な情報発信に努め、社会をつなぐ新聞の役割を果たしていきたい」と応じた。

 大使は訪問後、同社さん太ホールで開かれたフォーラム「ジョージアから学ぶウクライナ戦争」で講演した。

領土の武力侵害「あってはならない」

 山陽新聞社を訪れたレジャバ駐日大使がインタビューに応じた。一問一答は次の通り。

 ―ロシアによるウクライナ侵攻をどう受け止めたか。

 ジョージアは国土の2割がいまだにロシア勢力下にあるため、軍事侵攻を受けた記憶がよみがえり、緊張感が高まった。多くの国民が不安を募らせている。

 ―ウクライナ侵攻は1年以上続き、終結の見通しが立たない。

 ロシアに屈しないウクライナの立場を支持するが、犠牲者がこれ以上出ないよう早急に停戦の道を探る必要がある。厳しい国際情勢の中、ジョージアも妥協を重ねて独立を保ってきた。

 ―日本もロシアとの領土問題を抱えている。

 そもそも国際的に決められた領土や境界が武力で侵害されることは絶対にあってはならない。先人の多大な努力や犠牲の上に自由、主権が成り立っていることを一人一人が再認識し、平和の在り方について考えるべきだ。

インタビューに答えるレジャバ駐日大使

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