日韓徴用工解決策で合意 「一定評価」「話し合いを」長崎県内の市民団体代表ら

 韓国政府が元徴用工訴訟問題の解決策を発表し、日本政府も歓迎の意を表した6日、元徴用工被爆者を長年支援してきた長崎市の市民団体「在外被爆者支援連絡会」の平野伸人共同代表(76)は、日韓関係の改善と問題の根本的な解決に期待を寄せた。
 長崎県ではこれまで、戦時中の中国人強制連行や、被爆者健康手帳の交付を求める韓国人元徴用工の訴訟などが起こされ、市民団体が支援。強制連行を巡っては中国の被害者団体と日本企業との間で和解が進んだが、徴用工問題は膠着(こうちゃく)状態だった。
 平野共同代表は「高齢化して亡くなる人も多く、早期解決を求めてきた。根本的な解決になるのかはまだ分からないが、日韓両政府が歩み寄ったことは一定評価したい」と語った。
 一方、同市の端島(通称・軍艦島)を含む世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」では、朝鮮半島出身者への差別的な対応があったかどうか、歴史認識を巡って両国政府間で対立が続く。元島民らでつくる「真実の歴史を追求する端島島民の会」の加地英夫会長(90)は「奴隷労働はなかったと確信しているが話し合いは必要。両国の関係改善に向け、一歩前進したという感じ」と話した。

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