WBC出場のフリオ・ロドリゲス 「子供のころからの夢が現実になる」

昨年7月、フリオ・ロドリゲス(マリナーズ)はナショナルズと対戦した際にネルソン・クルーズからワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を打診された。クルーズはドミニカ共和国代表のゼネラルマネージャー(GM)であり、正式な招待だったのだが、ロドリゲスはそれを知らず「招待されるかわからないので…」と答えたという。まだロドリゲスがホームラン・ダービーで準優勝する前のことである。クルーズはその時点でロドリゲスの才能を認め、豪華なメンバーが揃うドミニカ共和国代表の主力の1人として勧誘していたのだ。

現在22歳のロドリゲスはメジャーデビューした昨季、132試合に出場して打率.284、28本塁打、75打点、25盗塁、OPS.854の好成績をマーク。メジャー1年目で「25-25」を達成するのは史上初の快挙であり、マリナーズが2001年以来21年ぶりのポストシーズン進出を成し遂げる原動力となった。オールスター・ゲームに選ばれただけでなく、新人王とシルバースラッガー賞も受賞。さらに、オールMLBのセカンド・チームにも選出された。

そんなロドリゲスは「子供のころからずっとWBCの大ファンだった」という。「WBCに出場することは子供のころから夢だった。国中が僕たちの背中を押してくれて、応援してくれるんだ。夢が現実になりそうだよ」とロドリゲス。2021年にはドミニカ共和国代表の一員として東京五輪に出場し、銅メダル獲得に貢献したが、参加する選手のレベルはWBCのほうが格段に高い。「WBCでは全力を尽くさないといけない。負ければ終わってしまう。明日勝てばいい、ではなく、今勝つことだけが大事なんだ」と大舞台を前に気持ちを引き締めている。

「去年の時点では自分が今年のWBCに出場するなんて考えられなかった」というロドリゲス。おそらくスター軍団のなかで「1番・センター」を務めることになるだろう。昨季マリナーズをポストシーズンに導いた若きスターは、今度は母国を頂点に導く原動力となる。

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