『フランスの料理コンクール』 鈴木料理長(ホテルニュー長崎)グランプリ “常に向上心持って作りたい”

グランプリを受賞した鈴木料理長=フランス・パリ(ホテルニュー長崎提供)

 フランスで最も歴史が長い料理コンクール「第72回プロスペール・モンタニエ国際料理コンクール」で、ホテルニュー長崎(長崎市)のレストラン「ハイドレンジャ」の鈴木智宏料理長(40)がグランプリに輝いた。日本人で5人目の快挙。鈴木料理長は「今後もお客さまに喜んでもらえるよう、常に向上心を持って料理を作りたい」と語った。
 現代フランス料理の第一人者として知られる故プロスペール・モンタニエを顕彰し、フランス食文化の伝統継承と発展を目指す団体「クラブ・ガストロノミック・プロスペール・モンタニエ」が主催。

マスを使ったメイン料理(左)と3種の付け合わせ(ホテルニュー長崎提供)

 鈴木料理長は2021年、フランスレストラン文化振興協会(東京)の料理コンクールで優勝し、日本代表として同国際料理コンクールへの参加権を獲得。参加は来年の予定だったが、今年の日本代表が辞退し、繰り上げ参加となった。
 書類選考を経て1月末、パリであった会場審査に進んだのは鈴木さんを含め6人。課題はタコを使った前菜とマスのメイン料理。フランスではタコを食べる習慣がほとんどなく、鈴木料理長はフランス人になじみのある味付けでタルトを作り、和風テイストのスープを添えた。メインは、スペイン・バスク地方のマスとトウガラシ、豚肉、チーズを使い、「地域性」を表現。付け合わせ3種は現地の旬の野菜を使い、色合いや風味にもこだわった。
 鈴木料理長は「ものすごく緊張した。自分一人の力は微々たるもの。たくさんの方々にサポートしてもらい感謝している」と述べた。ハイドレンジャでは4月30日まで、グランプリ受賞料理をアレンジした「記念コース」を提供している。2日前までの要予約。


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