動物絵画、思い思いに 坂口さんと大崎の中高生交流 長崎

坂口さん(右)と一緒に動物の絵を描く生徒たち=西海市立大崎中

 動物たちを愛あふれるタッチで描く長崎県西海市西彼町の坂口倫太朗さん(22)と、同市立大崎中、県立大崎高の生徒たちによる作品制作交流会が同市大島町の同中学校であった。
 自閉スペクトラム症の坂口さんは動物が好きで、小学生のころから絵を描くようになった。現在、芸術教育を受けていない人々が独自の発想で作ったアート「アール・ブリュット」に取り組んでいる「ながさきRぶりゅっと」のメンバーとして創作活動を続けている。
 大崎高の教員が開催を呼びかけた。大崎中美術部員5人と同高のボランティアクラブ「JRC(青少年赤十字)部」の部員2人が参加。記憶をもとに迷いもなく一気に動物を描き上げる坂口さんの様子を見ながら、母親の信子さん(53)から坂口さんの手法などについて説明を受けた。
 美術部員が考えたテーマ「be together」の文字を中央に記した縦約1.5メートル、横約2メートルの白布をキャンバスに、一緒に制作。坂口さんはシマウマやアフリカ水牛などを、生徒たちは時折、図鑑を参考にしながら馬やキリンなどをそれぞれ描いた。
 約2時間で作品は完成し、鑑賞しながら和気あいあいと交流。同中2年の白石唯さん(14)は「みんなの個性があふれる作品ができ、素晴らしいと思った。楽しかったし、いい経験になった」と話した。


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