6日の阪神との練習試合で先制打の活躍。
その後に披露した「ペッパーミル(コショウを引く)ポーズ」がナインの中で流行の兆しで、この日2連弾を放った大谷翔平(エンゼルス)もそれをやってみせた。
侍ジャパンのムードメーカーとなりつつあるのが、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)の存在だ。
昨年11月22日に報じられた予備登録の50人に同じ日系人選手のスティーブン・クワン(ガーディアンズ)とともに入っていた。関係者やコアファンにはその名は知られていたものの、今年1月23日に発表された正式なメンバー入りは完全な「サプライズ」の感があった。
昨季のカージナルスの右翼のレギュラーだ。昨季、米大リーグのプレーオフ(ナ・リーグ)では1番打者として活躍した。
1997年9月8日生まれで国籍はアメリカ。母親が日本人であるため日本代表の資格を有している。フルネームは「ラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバー」で、タツジは「達治」と書く。
栗山監督は190センチの右投げ左打ちについて1月26日の会見でこう答えている。
「肩の強さであったり、がむしゃらさであったり、1球1球本当に一生懸命プレーし続ける姿であったり、学び続ける姿勢を持って、いろんなものをすぐに吸収して、あの若さでどんどん形にしてくれると僕は信じたので。皆さんが思っているような活躍をしてくれると信じています」
ではアメリカではどう見られている? MLBの公式動画は「長打力&打球の鋭さ&守備」だと紹介している。すでにその実力は日本でも発揮されつつあるが、ここでちょっと「ディグって」みよう。
ヌートバーのプレイ映像はこちら
「WBC日本代表にも選出されたカージナルスのラーズ・ヌートバーいったいどんな選手なのでしょうか?」として始まる公式動画。
まず紹介されるのが、その長打力。
「昨季ブリュワーズ戦で放った本塁打はチーム最長となる約452フィート(約138m)の特大ホームラン」
さらに「鋭い打球を放つ選手」としても紹介される。
「また昨季のドジャース戦で放った本塁打の打球速度はこちらもチーム3位となる113マイル(約182km)を記録」
さらに彼の価値を高めているのは守備力の高さだ。
「守備面でも守備範囲が広く、昨季も数々のファインプレーを見せファンを魅了」
「強肩を生かし得点を阻止することもできる。まさにオールラウンドプレーヤー」
この動画ではまた、彼のキャラクターも感じ取れる。
2月末のインタビューではWBC日本代表選出についても聞かれた。
「とても興奮しているよ。オフシーズンにはメディアの方々がたくさん実家に訪れて両親にインタビューしてたしね。とてもクレイジーなことだし、ほんとに素晴らしい経験になると思うよ」
アメリカのチームメートからはいわゆる「イジり」も入ったようだ。
「アメリカ代表の選手たちともくだらない話をしているよ。『だって僕は日本代表だからね』って冗談を言い合って。誰かが何か言ったらそれに応えたり、『日本語で何か言ってみろよみたいなね』」
日本代表入りへの抱負もこう口にしている。
「でも心配しないで(冗談だけではないという意味)。日本語や野球はほんとに私の家族と関係が深いんだ。WBCの現場にいけてそれを感じられることを本当に楽しみにしているよ」
この先、キャラでも成績面でもチームの起爆剤となりうるか。大いに期待しよう。