朱さんら4人に仁科賞 理工系研究で優れた成果上げる

 岡山県里庄町出身の物理学者・仁科芳雄博士(1890~1951年)の功績をたたえる仁科顕彰会(会長・伊原木隆太知事)は7日、優れた研究成果を上げた県内の理工系大学院修了予定者に贈る「仁科賞」の2022年度受賞者4人を発表した。

 岡山大大学院自然科学研究科博士後期課程(産業創成工学専攻)の朱俊傑さん(28)▽同大大学院環境生命科学研究科博士前期課程(生物資源科学専攻)の難波匠太郎さん(24)▽岡山理科大大学院工学研究科博士後期課程(システム科学専攻)の金原一歩さん(27)▽県立大大学院情報系工学研究科博士前期課程(システム工学専攻)の山田美裕宇さん(24)。

 朱さんは衛星利用測位システム(GPS)の精度が下がる地下やトンネルでも高精度に位置情報を特定できる位置推定方法を発明。難波さんはタンパク質を大量生産した際に予期しない毒性が発生することを突き止めた。

 金原さんは計算に時間を要していたグラフのアルゴリズム(計算手法)を高速化する方法を開発。山田さんは脈拍数の変動を解析することで作り笑いと感情を伴う笑いの判別に成功した。

 授与式は15日に県庁で開く。同賞は新進気鋭の科学者の育成を目指して1966年度に創設。受賞者は今回で158人となった。

© 株式会社山陽新聞社