最終セッションは小林可夢偉がトップ。2日間総合では野尻智紀が最速に【鈴鹿テスト2日目午後】

 3月7日、三重県の鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権第1回公式合同テストの2日目の走行が行われ、午後の最終セッション4では小林可夢偉(Kids com Team KCMG)がトップタイムをマークし、テストを締めくくった。

 最終セッションも好天に恵まれた鈴鹿。セッション3終了から約3時間のインターバルを挟み、15時ちょうどに走行が始まると、午前のセッション終盤にクラッシュした佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)以外の全車がコースイン。開幕前最後の走行機会となる2時間とあって、精力的に走り込みを進めていった。なお、このセッションでは前日のセッション2に続き、OTS(オーバーテイクシステム)の使用が認められている。

 新たな空力パッケージとなったことによる空力セットのスキャニング、さらには新たなスペックとなったタイヤのロングラン性能の確認など、各陣営がさまざまなメニューをこなしていたものと思われる中、序盤のアタックでトップに立ったのは平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)だった。これにリアム・ローソン(TEAM MUGEN)、坪井翔(P. MU/CERUMO・INGING)、可夢偉らが続いた。

 セッション中盤にはこのテスト好調な国本雄資(Kids com Team KCMG)が2番手タイムをマーク。さらにこれに続く3番手に小高一斗(KONDO RACING)が浮上してくる。

 残り46分というタイミングで、突如赤旗が提示される。逆バンクで野尻智紀(TEAM MUGEN)がコースオフし、バリアに左フロントを接触させた状態でストップしたためだ。野尻は直後に自力でマシンを降りている。ローダーに載せられピットに戻された1号車を外から見るとフロントウイングのステーが破損していたが、その他に目立った外傷はない。

コースアウトにより赤旗原因となった野尻智紀(TEAM MUGEN)

 16時23分にセッション再開。なお、延長はなく予定どおり17時がチェッカー時刻となる。ここで山下健太の代役として参加している笹原右京(KONDO RACING)が1分37秒990というタイムをマークし3番手にジャンプアップを果たす。

 残り25分を切り、ベストタイムを塗り替える車両が出始める。まずは太田格之進の代役を務める大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムを塗り替えると、好調な可夢偉が1分37秒339で大津を上回って暫定首位に。タイムアップを果たした宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)笹原、さらに阪口晴南(P. MU/CERUMO・INGING)が可夢偉に続き、セッションは最終盤を迎えた。なお、マシンを修復した野尻も再びコースインしていった。

 残り4分を切ってからの最終アタックでは、まずは宮田が最速タイムをマーク。しかしこれを再び可夢偉が打ち破り、1分36秒183でこのセッションでの最速タイムを記録した。その後、ローソンが3番手、平川が2番手へと順位を上げるが、最後の最後でアタックした大湯都史樹(TGM Grand Prix)が1分36秒568を記録し、可夢偉に続く2番手の座を手にすることとなった。

 これで2日間にわたる公式合同テストは終了。4セッションでの総合トップタイムは、初日午後に首位となった野尻が記録した1分35秒955となっている。

 スーパーフォーミュラの2023シーズン第1・2戦は4月8〜9日、富士スピードウェイで開催される。

2番手タイムを記録した大湯都史樹(TGM Grand Prix)

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