日本代表・ヌートバー「高校日本代表がお手本。プロみたいだった」

カージナルスで今季ブレイクが期待されているラーズ・ヌートバーは、野球日本代表史上初の日本生まれでない選手となった。母が埼玉出身で、幼いころから日本代表としてプレーすることを夢見てきたというヌートバー。言葉の壁などが心配されたが、練習試合2試合を終え、早くもチームに溶け込んでいる。ヌートバーは攻守両面でハイレベルな実力を持つだけでなく、明るく陽気なムードメーカーでもある。日本代表のリードオフマンとして、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の本番でも活躍が期待できそうだ。

日本代表はヒットを打ったときや得点したときのセレブレーションとして、昨季カージナルスで流行したペッパー・グラインダーを取り入れている。ヌートバーによると、大谷翔平から「キミが最初にやったことをみんなでやろう」と言われたという。「初回に僕が最初に打席に立ち、ヒットを打った。それでペッパー・グラインダーをやったんだ。すると、みんなやるようになった」と日本代表のセレブレーションとしてペッパー・グラインダーが定着した経緯を明かした。

ヌートバーの家族は、ヌートバーが9歳のとき、田中将大らを擁した高校日本代表のメンバー数名をホストファミリーとして受け入れている。ヌートバーは当時の高校日本代表チームに歓迎され、試合前のストレッチに参加したほか、試合中にはバットボーイも務めていた。ヌートバーは当時を振り返り、「彼らは僕のお手本なんだ。まだ高校生なのにプロみたいだった。僕の家族は彼らを自分の子供のように受け入れたし、僕にとっては数週間、お兄ちゃんができたみたいだった。今は逆に、日本代表が僕を受け入れてくれている。嬉しいよ」と話している。ヌートバーの日本代表入りが決まったときには、当時の高校日本代表のメンバー数名からお祝いのメッセージも届いたという。

東京ドームでの試合には、カリフォルニア州にいる家族や親族も観戦に訪れる予定だ。オフのあいだには「君が代」を歌う練習をしていたというヌートバー。いよいよ日本代表の一員としての戦いがスタートする。

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