栃木県女性議員割合、平均13.6% 11議会は2人以下 男性との格差依然大きく

栃木県内議会の女性議員数と比率

 栃木県議会と栃木県内25市町議会を対象に下野新聞社が実施したアンケートで、各議会の定数に占める女性議員の割合は平均13.6%にとどまることが7日までに分かった。女性議員ゼロの議会はなくなったが、1人のみは8議会、2人は3議会と女性少数の議会が多い。本県では6月に先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合が開催され、ジェンダーギャップ(男女格差)解消に向けた議論が交わされる見通しだが、政治分野での格差は依然大きいのが現状だ。

 アンケートでは2022年10月時点の数字を聞いた。同月以降に改選などがあった市町は最新の数字を反映した。

 女性議員の割合が2割超だったのは4市町のみ。小山市が最も高く23.3%(30人中7人)、那須町が23.1%(13人中3人)、宇都宮市が22.2%(45人中10人)、足利市が20.8%(24人中5人)だった。

 県議会と12市町は10%台で、最も低かったのは佐野市の4.2%(24人中1人)。次いで那須烏山市の6.3%(16人中1人)、上三川(14人中1人)、茂木(14人中1人)、芳賀(14人中1人)の3町の7.1%。

 女性議員は計76人で、定数全体に占める割合は14.2%。4年前(18年10月)の調査時の69人(13%)とほぼ変わらなかった。

 那須町では2月に行われた町議選で、女性3人が初めて当選した。民泊経営をしながら選挙に臨み当選した増山(ましやま)このみ氏(37)は「高齢男性ばかりという議会のイメージを変えたかった。特に同世代や女性の意見を町政に反映させたい」と語る。

 県内で唯一「女性ゼロ議会」だった塩谷町では、21年の町議選で鈴木恵美(すずきえみ)氏(61)が2度目の挑戦で初当選を果たした。鈴木氏は「議会は町の縮図のはずで、男女半々が理想だ」と話す。

 18年5月には、政党に候補者数の男女均等化を求める「政治分野の男女共同参画推進法」が施行されたが、法の目指す均等には程遠い状況。女性の政治参加に詳しい上智大法学部の三浦(みうら)まり教授は「女性議員がマイノリティーのままでは過剰な査定を受けやすく、実力を発揮しにくい。比率の最低ラインとして3割を目指すべきだ」と指摘している。

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