広島土砂災害の被災地 復興の酒づくりを報告 若者たちが感じた魅力とは

広島市北部の土砂災害の被災地でコメを作り、酒を造る若者たちのグループが、今年度、国の地域づくりのモデルとして表彰されました。何が若者をひきつけるのでしょうか? 活動の報告会がありました。

広島土砂災害で被災した広島市 安佐北区 大林町 桧山地区…。グループ「ふるさと楽舎」は5年前から、ここに通い、休耕地を再生しながらコメを作っています。

去年は、そのコメで地域の酒「大林千年」を造り、国土交通省の地域づくり表彰の特別賞を受賞しました。

ふるさと楽舎 馬場田真一 プロジェクトリーダー
「みんなで泥んこ遊び。と言ったら農家さんに失礼ですけれども、たいへん楽しく体験をしているところです」

その活動を紹介する会が、地元公民館の主催で開かれました。

大林地区連合自治会 坊聰彦 会長
「若い方がそう簡単に…、イネを作ったこともないのが、いきなり、できはしないと」

最初は疑心暗鬼だった地元の人とも地域の行事に参加して、すぐに打ち解けたそうです。

馬場田真一 プロジェクトリーダー
「なぜ酒を造ろうかというところですが、“飲みにケーション”」

コンセプトは楽しむこと。コメ作りは当初、失敗の連続でしたが、田植えや稲刈りはボランティアの学生から日本酒好きの大人までさまざまな人たちでにぎわいました。

広島大学 4年 藤村颯 さん(22)
「大林という場所で活動することにすごく魅力があるし、何かすごい力があるんだなと感じているので」

広島文教大学 2年 頼本武夫 さん(20)
「これだけ自由にかつ、のびのびと活動できる場所って、ここしかなんじゃないかと」

広島大学 4年 山本愛永 さん(22)
「ここの中で生まれた人とのつながりっていうのは、いい経験になりました」

酒を造った地元の蔵元も思いを語りました。

旭鳳酒造 浜村洋平 代表
「土砂災害からの復興、持ち直しとか、力が湧いてくるような、地域のエネルギーを伝えられるような酒を造れたらなと」

ことしの酒は仕込みが終わり、出荷を待つばかりです。

ふるさと楽舎 馬場田真一 プロジェクトリーダー
「(香りは)フレッシュなフルーツを切る前みたい」

大林地区連合自治会 坊聰彦 会長
「去年よりいいかもわからん」

グループは、近く新酒の出荷開始を地元に報告し、ことしのコメ作りをスタートします。

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