小学校にある のり面転落で小4児童に後遺障害 市に賠償命令 広島地裁福山支部

5年前、広島県福山市の小学校の法面から児童が転落して、けがをした事故をめぐり、市の責任を認める判決です。

この事故は、2018年11月、福山市立日吉台小学校の当時4年生の児童が、放課後に学校の敷地内にある高さおよそ5メートルののり面で足を滑らせて転落したものです。

児童は、右目に視力障害や視野欠損の後遺障害が残りました。

父親と児童は裁判で、のり面に隣接する道路や学校の管理をする福山市に対し、のり面への進入を防止するための措置を講じていなかったなどとして、合わせて946万円の損害賠償を求めていました。

広島地方裁判所 福山支部の 森實将人 裁判長は、「こののり面は好奇心や冒険心が強い児童らにとって遊び場として誘惑的な場所と評価できる。進入防止の柵を設けるなどの措置がなく、安全性を欠いていた」と指摘。

一方で、「のり面の危険性について教諭らが注意するのを聞いていた」と児童に過失があったことも認め、福山市に対して、過失分を相殺したおよそ360万円を児童へ支払うよう命じる判決を言い渡しました。

父親への損害は認めませんでした。

判決を受けて、福山市は、「本市の主張が認められず遺憾であります。今後、判決の内容を精査する中で対応について検討します」とコメントしています。

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