福祉の “ものづくり力” 伝えたい 東彼杵に「=VOTE」オープン 障害者アートや雑貨販売

「=VOTE」で扱う就労支援事業所のアート作品を手にしたスタッフら=東彼杵町

 障害者らがデザイン、製作した雑貨やアート作品を販売する「=VOTE(イコールボート)」が2月24日、東彼東彼杵町瀬戸郷にオープンした。地域住民と観光客、障害者らのものづくりをつなぐ拠点として、にぎわい創出を目指す。
 「気に入ったアートや雑貨があったらVOTE(投票)する気持ちで賛同して」。佐世保市などで就労継続支援B型事業所を運営する石丸徹郎さん(42)は店名に込めた思いを語る。
 県内で雑貨製作などに取り組む事業所が増えているが、石丸さんは「事業所が営業して販路を広げるのは職員数に限りがあり難しい」とし「福祉施設のものづくりの力を伝えるショーケースになれば」と願う。

「東そのぎテキスタイル」の雑貨(手前)やアート作品が並ぶ「=VOTE」の店内=東彼杵町

 交流拠点施設「Sorriso riso(ソリッソリッソ)」隣の空き店舗を活用。事業所のメンバーらがパッケージをデザインした「そのぎ茶」のほか、クジラなど東彼杵町の特産品をデザインした「東そのぎテキスタイル」の名刺入れやバッグなども扱う。
 ソリッソリッソを運営する一般社団法人「東彼杵ひとこともの公社」の森一峻代表理事(38)は「就労支援の活動を見える化する試み。ウェブメディアも併用したい。事業所のデザイン力で、地元産品の付加価値を高め、地域課題の解決につなげたい」と意気込む。
 商品は現在、6施設の利用者が手がけたアート作品を含む計100種。サスティナブル(持続可能)も店のテーマの一つで、製材所や縫製場から出た端材を再利用した花入れなどもある。外観は改修せずに昭和の雰囲気を残した。
 「=VOTE」の坂井佳代代表(48)は「デザイン、縫製、手芸、木工など事業所それぞれに得意分野がある。有機的に連携し、新たな商品開発や企業の廃材リサイクルのお手伝いもできれば」と語り、賛同企業や事業所を募っている。
 火、水曜定休、営業時間は午前11時~午後5時。問い合わせは(電080.8080.4569)

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