『竹の菓子で東アフリカに雇用を』 長崎大4年の本多さん、大学院2年の柳原さん 現地に工房建設目指しCF

竹スイーツやパンを活用して長崎から東アフリカの問題解決を目指す柳原さん(左)と本多さん(Greeendy提供)

 竹のパウダーなどを使ったスイーツやパンの製造販売を通じ、東アフリカの雇用問題解決につなげようと、長崎大大学院多文化社会学研究科2年の柳原沙紀さん(25)と同大多文化社会学部4年の本多なおさん(23)が、一般社団法人「Greeendy(グリディ)」を設立。ウガンダで竹スイーツ工房を建設する費用などの事業資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。
 教育心理学を勉強している柳原さんは、ケニアの大学で2022年1月から9カ月間、親をエイズウイルス(HIV)などで亡くした子どもの学校生活を心理的側面から研究した。訪問した村では大卒でも1日100円程度で暮らさざるを得ない生活。「人生って不平等。頑張っているのに正式に雇われない。野菜も買えない」という親友の言葉に歯がゆさを感じ「雇用を増やすことが大事」と強く思うようになった。
 本多さんは中学時代、竹林整備に関する自由研究をきっかけに、竹の可能性について興味を持つようになった。昨年夏に3カ月間、国家プロジェクトとして竹産業を進めているウガンダを現地調査。生育が早く気候変動や食料危機の解決にもつながることを確認した。

パン職人の手を借りて開発した竹を使った「ちぎりパン」(Greeendy提供)

 昨年12月、留学の事後研修で出会った2人は、東アフリカの課題認識に共通点が多く意気投合。柳原さんの思いと本多さんの知見が結び付き、竹を活用したビジネスの構想が浮かんだ。
 長崎市内のパン職人の助けを借り、食物繊維が豊富な竹のパウダーを使った「ちぎりパン」とドーナツを開発。イベントやCFで資金を集め日本人向けオンラインショップを展開する。ウガンダには工房を開き、竹のスイーツやパンを広める準備を進める。竹の調達や工房での仕事などで雇用につなげる。
 CFの目標は300万円。支援額や竹茶セットなどの特典をQRコードから選べる。4月17日まで。
 3月17、18日は長崎市内でケニア人留学生との交流や竹菓子のワークショップイベントを開く。12日までに申し込みが必要。CFサイトに掲載しているQRコードから確認できる。
 2人は「長崎から竹技術を活用して東アフリカの課題解決につなげたい。もっと平等に生きられる社会を目指す」と話している。グリディ(greeendy.japan@gmail.com)

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