わが子への愛情、命を奪われた悲しみ、怒りの言葉が法廷に響いた。那須雪崩事故の損害賠償訴訟で8日、5遺族の6人が当事者尋問で証言台に立った。「自然災害ではなく人災」「3教諭に事故と正面から向き合ってほしい」。時に語気を強めて訴えた。声を詰まらせながら亡き息子への思いを語る姿に、傍聴席からはすすり泣きが漏れた。
「子どもを深く愛していました」。高瀬淳生(たかせあつき)さん=当時(16)=の母晶子(あきこ)さん(56)は息子との記憶から語り始めた。淳生さんが小学生だった時、夫を病気で亡くした。体調を崩しながらも回復して高校に進学できたことなど成長過程を語った。