卸業者ら飲食店とタイアップ 「盛り上げ隊」が活動報告 食材、花、酒でメニュー提供企画

業界を超えて飲食観光業の活性化を目指す「盛り上げ隊」のメンバー=県庁

 長崎県内の業務用卸業者らでつくる一般社団法人「県飲食観光業盛り上げ隊」(渡部孝代表理事)は8日、県庁で会見を開き、昨年5月の設立以降の取り組みを報告した。飲食店とタイアップし、県産の食材や花、酒を組み合わせたメニュー提供などを企画。今後の観光回復を見据え、PRを強化する考えだ。
 新型コロナ禍で打撃を受けた飲食業、観光業の活性化を図ろうと、飲食店やホテルなどに食材や酒、花などを卸している業者を中心に組織した。漁業協同組合や金融機関なども含め46社(賛助を含む)が加盟。飲食店は長崎市内を中心に97店がPRで協力している。法人によると、飲食観光業のサプライチェーン(供給網)を構成する業者が、横断的な組織を立ち上げた事例は全国的にめずらしい。
 昨年8月から、市内の生花店とバー18店が協力し、月替わりで県産花をテーマにしたオリジナルカクテルの提供を開始。これを皮切りに、県内の刺し身や肉、水産練り物を使ったおでんを県産酒と組み合わせたメニューを、飲食店を通じて相次いで打ち出してきた。
 今後は宿泊業者とも協力して県外からの観光客向けにもPRし、夜間の飲食消費を促す。渡部代表理事は「私たちは本県経済の『縁の下の力持ち』。県産品の魅力を県内外に発信し、経済の力を倍増させていく」と抱負を語った。

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