書道 自信が付き、人生を変えた書の道 原田みう(大分3年) 【大分県】

「入学後に見た書道部のパフォーマンスに心を打たれて、涙が出るほど感動した。自分もこうなりたいと思った瞬間だった」

幼い頃から文字を書くことが好きで、5歳で書道教室に通っていたという原田みう(3年)。憧れの大分高校書道部に入部し、先輩の姿を必死に追い掛けたと話す。

入学後も日々真剣に書と向き合い、1年時の「書の甲子園」で見事入選すると、2年時には「第45回学芸書道全国展」で東京学芸大学長賞に輝いた。また個人の活躍だけにとどまらず、部長としても部員の中心に立ち、奮闘する。「昔から人前で話すことが苦手な人見知り。1年生の頃にリーダーに指名されたが、最初はまさかという気持ちだった。仲間と先生方のおかげで今の自分がある」。好きなことを極め、自分に自信を持ってほしいという母の想いもあったという書の道。たくさんの人に恵まれ、自信を持って自分自身を表現する強さを身に付けた。

小学生の頃から全国大会で受賞を重ねてきた原田みう

これまでの書道人生で一番うれしかったのは「第27回全日本高校・大学書道展」で最優秀校となって団体優勝したこと。部長としてチーム全体の士気を高める一方、個人戦の練習も同時進行で行うため、心が折れそうな時もあったと当時を振り返る。「部の目標でもある『日本一目指すこと』は大変なことも多かったけど、頑張る仲間の姿が励みになった」。仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)しながら、同大会では個人でも漢字、かな、調和体の3作品で入賞を果たした。

毎日小さな目標を立て、その日の練習で達成するようにしてきたという原田。ストイックに自分と向き合うのは、周りの人への感謝の想いがあるからだという。「結果を出すことは、いつも支えてくれる地域の人や保護者、先生方への恩返し。特に前田エリ子先生には技術だけでなく、精神面も鍛えてもらった。先生の存在がなければ今の自分はなかった」。憧れの書道部に入って自分に自信が付き、人生が変わった。部活動で学んだ多くのことを後輩へつなぎ、これからも書と共に歩み続ける。

一緒に成長してきた3年生部員たち

(塩月なつみ)

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