建設から85年「仁方隧道」全国初のトンネル修繕代行 国から呉市に引き渡し 広島

建設から80年を超えた広島県 呉市のトンネルについて、国による修繕代行工事が終わり、呉市に引き渡されました。

末川徹 記者
「仁方トンネルの隣りにある仁方隧道です。老朽化のため、修繕工事が行われていましたが、新しく生まれ変わりました」

呉市の広と仁方地区を結ぶ全長260メートルの「仁方隧道」。建設から85年が経った旧国道のトンネルです。

トンネルを管理している呉市は、専門の技術者不足に加え、補修費用も重くのしかかることから、国に支援を要請していました。トンネル修繕の代行事業は「全国初」の取り組みで9日、中国地方整備局から呉市に引き渡されました。

中国地方整備局 広島国道事務所 福永孝敏 副所長
「地域の人たちが大事に使ってきた道路を補修して、無事に呉市に返せたことは非常に安心」

工事が始まる前の2019年は、国からの担当者が、内部の壁にひびが入っていないかなどハンマーをたたいて確認していました。建設当時の資料が残っていないこともあり、一部の壁や天井に穴を開け、コンクリートの強度などについても入念に調査されました。

2023年2月、完成したばかりの「仁方隧道」の中を通ってみると…。

末川徹 記者
「以前は、ひび割れや雨漏れが天井に目立っていたそうです。コンクリートが分厚くなった分、道路の幅員は多少せばまりましたが、安全性は増したということです」

呉市 土木整備課 伊藤清隆 課長
「立派に新品のようにトンネルを補修してもらった。地域の重要な道路として安心して利用してもらえれば」

呉市に引き渡した後もトンネル内の照明工事は続けられるということです。

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