梅毒感染が過去最多 長崎県内で58件  感染予防と早めの検査を

 長崎県は10日、性行為などでうつる梅毒について、2022年の感染者報告数が58件に上り、過去最多だったと発表した。今年1月から今月5日までに17件が報告され、県は感染予防や保健所での検査による早期発見を呼びかけている。
 県感染症対策室によると21、22年は長崎県を含めて全国で感染者数が増加。22年は全国で1万743人、本県も初めて50人を超えた。感染者は10代~30代が59%を占め、インターネットで出会った不特定多数の人との性行為が拡大の要因の一つになっている可能性があるとの見方もある。
 梅毒は梅毒トレポネーマという菌が原因で発症。妊娠中に母子感染が起きると、子どもに先天異常を起こすこともある。感染すると陰部や口に数週間、しこりなどができたり、症状が消えた数カ月後でも手のひらや足の裏などに発疹などができたりする。早期治療で完治するが、放置すると心臓や血管に異常が現れる可能性がある。予防には不特定多数の人との性行為を避け、コンドームの適切な使用が有効という。
 県内10カ所の保健所で予約すれば、匿名で無料検査を受けられる。同室は「気になる場合は早めに医療機関や保健所で検査を」としている。


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