小田原市内10店舗限定のアンコウカレー 廃棄用の魚有効活用 クラファンでの販売好評

小田原の海で取れたアンコウを使ったカレー

 神奈川県小田原市の漁師の間でひそかに食べられていたという「アンコウカレー」。そのレトルト商品が10日から、小田原市内10店舗で限定販売されている。小田原の海で取れても売り物にならなかったアンコウの有効活用を狙い、クラウドファンディング(CF)での販売は物珍しさも手伝って目標額を早々に達成。関係者は「(店舗での限定販売も)完売して多くの人に味わってほしい」と期待を寄せる。

 アンコウは全国の産地で冬季に底引き網漁で取れるが、小田原では鍋のシーズンが終わった春先に刺し網でかかるため、年間1万トン程度が水揚げされてもほとんど値が付かない。廃棄されるアンコウを活用しようと市や漁業者が商品開発に取り組んでいた。

 アンコウカレーは以前から漁業関係者が「おかみさんレシピ」として考案。1年間食べられるレトルト商品にした。臭みを消すためにスパイスを多めに使うなど課題も多いが、昨年12月のCFでは30万円の目標額に対して65人から約40万円の寄付が集まった。

 カレーは約2千食を漁港の駅TOTOCO(同市早川)や魚國商店(同市栄町)などで販売している。864円(税込み)。市担当者は「小田原でアンコウが取れることを知ってもらう機会になれば」と話している。

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