アレルギー反応に、足もつって…ミンウ・リーの第5のメジャー初挑戦記

第5のメジャーで夢のPGAツアー初勝利へ。ミンウ・リーが2打差の2位に(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 3日目(11日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7275yd(パー72)

ミンウ・リー(オーストラリア)は世界ランキング50位以内の資格でフィールドに滑り込んだ“第5のメジャー”の開幕前、欠場すら考えていた。前週の「アーノルド・パーマー招待」で予選落ちした後、「電解質のアレルギーが出てしまって」と顔が赤く腫れ、会場入りした日曜日は「目が半分、閉じていた」と言う。

「電解質(濃度の高い飲料など)を取らないと、(筋肉が)つるんだよな」。不吉な予感がまさか現実になるとは…。アレルギー反応も無事収まって迎えた大会初日、後半15番で1Wショットを放った直後に右足のふくらはぎがけいれんを起こし「オーマイガー」。ティイングエリアでぴょんぴょん飛び跳ね、懸命にストレッチを施した。

ツアーの理学療法士のケアを受けながら回った残り4ホールは16番(パー5)をバーティとした後、2連続ボギーでフィニッシュ。「68」で首位スタートは逃したが、24歳はその後の2日もアンダーパーを続けて一気に初優勝のチャンスを呼び込んだ。3位で迎えた第3ラウンドは出だし1番で残り約120ydの第2打をカップに放り込むイーグルで勢いづき、「66」。通算12アンダーで首位に2打差の2位にいる。

最終18番はアイアンでティショット(撮影/田辺安啓(JJ))

様々なアクシデントも今となっては笑い話。数日前、足がつったシーンのキャプチャー画像を自身のツイッターアカウント(@Minwoo27Lee)のアイコンにした。「何に効くのか知らないけど、みんなメディアで『ピクルスジュースを飲め』って言うんだ。ピクルスジュースはなかったから、ココナッツウオーターや電解質をたくさん取ったよ」

2021年「エビアン選手権」、22年「全米女子オープン」を制したミンジー・リーの弟。21年までに欧州男子ツアーで2勝を挙げ、PGAツアーへの挑戦機会をうかがってきた。「あしたは人生で一番大きな日になる。でももう一度、楽しみたい。それがここ3カ月のモットーなんだ」。ドタバタの1週間の締めくくりは果たして?(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)

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