ハード対策進むも「住民の防災意識」が重要 計画と日常の備えを【わたしの防災】

確度の高い地震予知は難しい。だからこそ、日頃の備えが大切ですが、静岡県内の地震対策はどこまで進んだのでしょうか。

東日本大震災を受けて静岡県は、2013年に最大で10万5000人が死亡するという南海トラフ巨大地震の被害想定を出しました。このうち、住宅の耐震化率が約9割までアップしたことや、海岸の防潮堤、避難施設の整備が進んだことで、2022年度末までの目標値で死者はおよそ2万人、8割近くまで減らせる見込みです。

ただ、ここからさらに減らすのは簡単ではありません。例えば、津波の場合、ハード対策としては避難施設のカバー率が2019年の時点で97%まで達しています。残る対策は、大きな揺れを感じたら津波から「いち早く逃げる」という住民の意識=ソフト対策です。

私たち、一人ひとりの防災意識を高めないと死者は減りませんし、防災意識が低下すると逆に死者が増えることになります。

静岡県の想定で死者を8割減らせる見込みということについて、静岡大学教育学部の藤井基貴准教授は「この数年の間にこれだけ(被害想定の)数字が減ってくるというのは取り組みの成果の表れだと思う。ただこの数値を『安心の材料』にしないことがこれからの取り組みのカギで、そのためにも計画や日常の備えが重要になってくる」と述べています。

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