天国の伊藤さんに届け―。えちごトキめき鉄道・えちご押上ひすい海岸駅の開業記念ご当地音頭「えちご押上ひすい海岸」の発表会が12日、糸魚川市押上2の押上公会堂で開かれた。当初は同駅が開業した令和3年中に実施予定だったが、コロナ禍の影響で延期していたもの。この間に死去した元押上区長、同音頭制作推進委員会代表の伊藤武夫さんへの追悼の意を込めたイベントとなった。
伊藤さんは同駅の開業、それを契機にしたご当地音頭の制作、地域活性化に向けて精力的に活動していた。音頭の発表会実施も念願だったといい、会場には伊藤さんの生前の写真を飾った。
実行委員長の杉本朋之・押上区長は開会で「きょうここに、区民の皆さんに発表できる運びとなり、伊藤武夫氏も天国で喜んでいると思う」などとあいさつ。えちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長は「これからは(同区に)観光客がいっぱい来ると思うし、私たちが連れてくる。皆さんからもぜひ、できる形でおもてなしをしていただければ、伊藤さんにも喜んでいただけると思う」と呼び掛けた。
音頭は地元演歌歌手の石塚友和さんが生歌で披露し、日本舞踊の「藤間会」が合わせて踊る場面もあった。関連グッズの物販や往年の歌謡曲の歌唱も盛り込み、集まった地域住民ら約100人を楽しませた。
石塚さんは曲間に伊藤さんとの思い出を語り、「この場に伊藤さんがいないのは僕にとってもつらいが、皆さん一人一人の心の中に、伊藤さんがいらっしゃるのではないか。皆さんもぜひ、『えちご押上ひすい海岸』を愛し、歌っていただきたい」と呼び掛けていた。