失念していた…療育手帳など交付されず 富士見市職員、申請書類の処理怠る 計48件、金銭的被害の可能性も

富士見市役所=埼玉県富士見市鶴馬

 埼玉県富士見市は14日、障がい福祉課の40代の主任男性職員が2022年2月から同年11月までの間、市民から受理した知的障害者の等級などを証明する療育手帳の交付申請書や福祉サービスを利用した障害者が基準額を超えた場合、自治体に超過分の給付を求める高額障害福祉サービス等給付費支給申請書などの事務処理を怠っていた、と発表した。

 市は対象者に謝罪と事情説明を進めている。また、療育手帳の交付の遅滞などにより、対象者に手当が支給されていないなどの金銭的な被害が出ている可能性があり、市は「金銭的な影響を精査した上で、厳正な処分を実施する」としている。

 市によると、対象期間中の未処理は、療育手帳の交付申請書4件と高額障害福祉サービス等給付費支給申請書4件(被害総額約14万円)のほか、障害者の住所変更などを所管の県立リハビリテーションセンターに報告する事務処理計48件。

 今年2月16日、療育手帳の交付申請者から問い合わせを受けた同課の職員が主任男性の受理した申請書に未処理があることを確認。その後の調べで、多数の未処理の申請書類が判明した。主任男性は「日々の事務処理に追われ、失念していた」と理由を説明しているという。

 主任は09年に同市に入庁。21年4月から同課に在籍している。市は「職員がコンプライアンス意識を持ち、誠実かつ適切な業務を遂行できるように教育と指導を徹底したい」としている。

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