アウディ初の電気自動車として、世界全体で約16万台を（2022年末時点）を販売した『e-tron／e-tron Sportback（スポーツバック）』が大幅なアップデートを受けた。そのモデル名に電動SUV・クロスオーバーのラインアップで頂点に立つ『Q8』が新たに加えられ、前後のエクステリアデザインも刷新。一充電走行距離と急速充電性能を向上させるとともにリサイクル素材を積極的に採用し、発売は今年夏以降が予定されている。
ブランド初のBEVとして登場した『e-tron／e-tronスポーツバック』の後継モデルに位置付けられる『Q8 e-tron／Q8 e-tronスポーツバック』は、今回のモデルチェンジで新名称へ移行するとともに、開口の少ないシングルフレームグリルをブラックのマスクで囲む新しいフロントデザインを採用した。同じく新しいコーポレートアイデンティティとして、エクステリアに採用された2次元デザインのアウディのフォーリングスに加え、Bピラーにはそのモデル名も刻まれている。
一方のインテリアでは、ペットボトル由来のリサイクル原料等を使用するダイナミカ素材のシートや、自動車の混合プラスチック廃棄物を革新的なプロセスにより再利用したシートベルトバックルカバーを採用。このシートベルトバックルカバーは、アウディが安全関連コンポーネントに初めて採用するリサイクル素材となっている。
そのラインアップでは、正統派SUVのスタイルを持つ『Q8 e-tron』に“50”と“55”を、流麗なルーフラインを描く『Q8 e-tronスポーツバック』には“55”のモノグレードを設定し、両モデルともにバッテリー総容量に対して使用可能な正味エネルギー容量を増加させ、空力性能やモーター効率のアップで一充電走行距離を向上させている。
うち250kw／664Nmを発生する“50 e-tron quattro S line”では、総容量95kWh（先代比＋24kWh／正味エネルギー容量は89kWh）のバッテリーを搭載し、WLTCモードで424km（先代比＋89km）の一充電走行距離を達成。一方の300kw／664Nmを発生する“55 e-tron quattro S line”は、総容量114kWh（先代比＋19kWh／正味エネルギー容量106kWh）のより大きなバッテリーを搭載し、WLTCモードの一充電走行距離は501km（先代比＋78km）とした。
■バッテリー容量の異なる2種類のグレードを設定
この“55”では従来のバッテリー製造工程で生まれる電極材の隙間を『スタッキング方式』と呼ばれる、折り重ねるように配置する方法に変更されている。
これにより隙間を極力なくし、先代モデルよりバッテリー寸法やモジュール数を変更することなくエネルギー密度を向上。これによりバッテリー容量が増加し、同時にセル内の化学物質の配合を変更することで、さらなるエネルギー密度の向上が図られた。
充電性能においては、両モデル共通して150kWまでの急速充電に対応する。ポルシェ、フォルクスワーゲンとともに行うVWグループ内のプレミアム・チャージング・アライアンス（PCA）のサービスや、アウディe-tron店が設置を進めている150kW急速充電器が利用可能となっている。
そんな両モデルの今夏以降の発売に先駆け、3月4日より東京・大阪を起点として『Audi Q8 e-tron Roadshow』も開催されており、日本仕様に先駆けて欧州仕様を空輸し、いち早く実車が確認可能に。その開催各スケジュールは以下のサイトにて掲載される。車両価格は『Q8 e-tron』が1099万～1275万円、『Q8 e-tron Sportback』が1317万円（いずれも税込）となっている。
Audiコミュニケーションセンター・フリーダイヤル：0120-598106
『Audi Q8 e-tron Roadshow』：https://www.audi.jp/e-tron/special/q8e-tronroadshow/
モデル 電気モーター バッテリー容量 駆動方式 ハンドル 価格（税込）
Audi Q8 50 e-tron quattro S line 電気モーターx2 250kW/664Nm 95kWh quattro 右 1099万円
Audi Q8 55 e-tron quattro S line 電気モーターx2 300kW/664Nm 114kWh quattro 右 1275万円
Audi Q8 Sportback 55 e-tron quattro S line 電気モーターx2 300kW/664Nm 114kWh quattro 右 1317万円
