オープン戦19日目 カイナー=ファレファがセンターの守備に挑戦中

日本時間3月15日、メジャーリーグはオープン戦19日目を迎えた。ヤンキースはブルージェイズとのオープン戦に10対3で勝利したが、試合前の打撃練習中、センターのポジションにつき、アーロン・ジャッジやアンソニー・リゾの打球を追いかけていた男がいた。昨季は正遊撃手を務めたアイザイア・カイナー=ファレファだ。今季は遊撃のレギュラーではなく、ユーティリティ・プレーヤーとしての起用が濃厚となっており、起用の幅を広げて出場機会を増やすために、センターの守備にも挑戦している。

この日のオープン戦でカイナー=ファレファの出番はなかった。今季のヤンキースはオスワルド・ペラザやアンソニー・ボルピーといった若手有望株たちが遊撃のレギュラーポジションを争っており、移籍1年目の昨季に攻守両面で精彩を欠いたカイナー=ファレファは正遊撃手の座を失う見込みとなっている。アーロン・ブーン監督はセンターの守備練習に取り組んでいるカイナー=ファレファについて「彼は身体能力が高いからセンターもしっかりこなせると思う」とコメント。インストラクターのニック・スウィッシャーの指導を受け、センターの守備に挑戦しているカイナー=ファレファを今週末にもオープン戦で中堅手として起用する方針だ。

もちろん、まだ正遊撃手が決まったわけではなく、ブーン監督は「カイナー=ファレファはまだ競争に加わっている」と話している。しかし、その一方で「多くの異なる役割をこなすことで成長できると思う」とも語り、やはりユーティリティ起用が濃厚。正中堅手ハリソン・ベイダーが左腹斜筋を痛め、開幕に間に合わない見込みであることもカイナー=ファレファの外野起用を後押しする。

カイナー=ファレファはメジャー昇格のチャンスを広げるために捕手に挑戦し、2020年は三塁手部門でゴールドグラブ賞を受賞するなど、これまでにもユーティリティ性を存分に発揮してきた。その能力があれば、おそらくセンターの守備も無難にこなせるはずだ。巨体のアーロン・ジャッジを昨季のようにセンター主体で起用するのは得策と言えず、オープン戦でのテストが成功すれば、ベイダー復帰までのあいだ、カイナー=ファレファがセンターを守る機会が増えるかもしれない。

© MLB Advanced Media, LP.