31年ぶりにストライキ 国立病院機構労働組合「現場は疲弊、賃金アップは必須」会見で訴え

 国立病院機構の沖縄病院と琉球病院の労働組合支部は9日、賃上げや人員の補充などを求めて、ストライキを実施した。ストは31年ぶりで、看護師や介護士など約10人が参加した。同日午後、県庁で団体交渉の状況などを説明する会見を開いた。

 組合はベースアップや人員補充などを求めて4回の団体交渉を実施したが、機構側は一時金の提示にとどまり、求める回答は得られなかった。機構側から交渉は打ち切りと伝えられたといい、今後スト実施などを検討している。

 慢性的な人手不足に加え、筋ジストロフィーなどの専門医療を担いながら新型コロナウイルス患者を受け入れてきたため、業務の負担が増した。過重労働が続く中でも、待遇改善がされておらず十分な人員確保ができていないという。

 全日本国立医療労働組合沖縄病院支部の知念孝二書記長は「現場は疲弊しており、医療サービスの質の低下につながっている。良い人材を確保するには賃金アップは必須だ」と話した。

 (中村優希)

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