【WBC 一次ラウンド プールB】韓国は3位、チェコが4位で終了 これが韓国野球の現在地… 「壁を感じた」

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今大会で最も大きな衝撃を受けた「東京大惨事」を経験したのは韓国代表チームだった。韓国代表チームは、2023年ワールドベースボールクラシック(WBC)1次ラウンド プールBで2勝2敗で3位にとどまった。プールB1位は優勝候補でもある日本代表(4勝)、2位はダークホースのオーストラリア(3勝1敗)だった。韓国代表は各プール2位までに与えられる準々決勝進出を逃し、2013、2017年大会に続き3大会連続1次ラウンド敗退が確定した。

B組は大会前、日本と韓国が勝ち進むと見られており、オーストラリアはダークホース、チェコと中国は1次ラウンド突破の可能性が低いと見られていた。ふたを開けてみると14日時点を基準に4敗となったプールB最下位の中国は平均自責点15.11、4位のチェコのチーム平均自責点は7.94という結果に。

問題となるのは韓国が中国、チェコの次に投手陣の成績が良くなかったという事実だ。B組に限らず、出場20カ国で比較しても韓国はチーム平均自責点が7.55で全体で16位にとどまった。まだ他の試合が残っているので順位が変動する可能性はあるが、プールB4位となったチェコの投手陣とそれほど変わらない結果となった。左腕のエース後継者と期待されていたク・チャンモ(NCダイノス)とイ・ウィリ(KIAタイガース)は、自身のボールを投げることができず、昨年新人王チョン・チョルウォン(斗山ベアーズ)、KBOリーグで結果を残していたグァク・ビン(斗山ベアーズ)、チョン・ウヨン(LGツインズ)ソ・ヒョンジュン(ktウィズ)らも本来の実力を披露することができなかった。

韓国は同組で対戦した各国の成長ぶりにも驚いたが、最も大きな衝撃を受けたのは最強国日本代表のパフォーマンスだった。日本は4試合で防御率1.50で20カ国のうち1位となっている。唯一のチーム平均自責点3点台未満のチームだ。

日本には大谷翔平(エンゼルス)という世界一のスーパースターが、マウンドでは時速160kmの豪速球を投げ、さらには打席でもホームランを放った。また、ダルビッシュ有(パドレス)のようなベテランメジャーリーガーも加わっていたことが大きい。

しかし、最も驚くべきことは日本のプロ野球チームの投手たちがスーパースターたちに劣らない成績を残したことだ。22歳の佐々木朗希(千葉ロッテ)は時速164kmに達する豪速球を投げ、2年連続で投手4冠王(最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振)の山本由伸(オリックス)はオーストラリア戦で4回1安打無失点8奪三振の好投。精巧な制球力と変化球の能力は、日本の投手が伝統的に誇ってきた強みだった。

韓国が2009年WBC決勝で対戦した日本と今の日本は全く違うチームだった。韓国投手陣が最善を尽くしても抑えることができなかった日本打線を目の当たりにし、選手たちから見ても次元が違う日本の投手陣からは大きな衝撃を受けた。

ウォン・テイン(サムスンライオンズ)は「率直に壁を感じた。自国のKBOリーグで技術を磨き更なる成長をするために野球をしているが、3大会連続で敗退したことに関して言い訳ができない。本当に井の中の蛙であったと今大会に来て感じた。今すぐ韓国に戻って、これまでにしてきた練習や意識を変えなければならないようだ」

続いて「昔のイメージでいくと初戦のオーストラリア戦は当然韓国が勝つと思っていただろうが、私たちが弱体化したというよりは、他の国々が成長している間、私たちが思った以上に成長できていなかった。他の国々の成長を肌で感じた。私たちがもっと成長しなければならない」と付け加えた。

直接日本の投手陣のボールを経験した打者たちも衝撃を受けたのは同じだった。昨年打撃5冠王でKBOリーグMVPのイ・ジョンフ(キウムヒーローズ)は「(日本の投手たちのボールは)KBOリーグでは見られなかったボールだった。私をはじめ多くの若い選手たちが今大会に参加したが、私たちの技術は世界の多くの野球選手に比べて劣っている」ということを感じられる大会だった」と率直に打ち明けた。

メジャーリーグで3シーズン目を迎えるキム・ハソン(パドレス)は「プレミア12の時のオーストラリアチームより今大会のオーストラリアの方がさらに成長し、準備も整っていたという感じを受けた。ここで何を言っても言い訳になるが、本当にオーストラリアの選手たちが私たちよりも上だったと思う」

「宿敵」と呼んだ日本代表は、全力を尽くしても越えることができないほど先に進んでおり、野球の後進国と簡単に考えていた国も今や韓国に勝るとも劣らない。選手たちは今回の大会での経験を経て成長し、再び国際大会の扉を叩くだろう。

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