レイラ×サバシスター - "Homecoming Tour"開催記念! 両バンドが語り合う"第二の故郷(ホーム)、下北沢SHELTER"

サバシスターの初ライブも初ツアーファイナルもSHELTER

▲左から、みうらたいき(レイラ Gt)、有明(レイラ Vo, Gt)、なち(サバシスター Vo, Gt)、るみなす(サバシスター Gt)、ごうけ(サバシスター Ds)

──今回の“Homecoming Tour”は、ごうけさんと有明さんの密約で決まったと聞きましたが。

有明:密約(笑)。でもまあ、そんな感じですね。

ごうけ:SHELTERのパブタイムで飲んでたときに、ツアー一緒にやろうか? ってノリで決めて(笑)。

有明:最初は地元へ帰ろうって感じでもなく、お互いの地元…「仙台いい感じだよ」「横浜もいい感じっすよ」みたいな話から始まって。いつだっけ?

ごうけ:けっこう前だよね。話は進んでたけど、日程が先になっちゃったので。

──“Homecoming Tour”というタイトルはなちさんが命名したとか。

なち:そうです。

るみなす:ここで決めたんだよね? フライヤーの撮影をしたとき。

──端的に言えば各自の故郷へ錦を飾るツアーといったところですか。

ごうけ:かっこいい! そういうことにしておきましょう(笑)。

──SHELTER愛に溢れたレイラとサバシスターならではのツアーと言えそうですね。

有明:SHELTERには思い入れがめちゃくちゃあるんです。ここで何度ワンマンをやったかわからないし、先月(2月20日)もアコースティック編成のワンマンをやったばかりだし。このバンドを組む前から知ってたライブハウスだったし、やる前は敷居が高くて、バンドをやる上でステップアップになる所というイメージがありました。

みうら:バンドマンにとって憧れのライブハウスですよね。

──サバシスターに至っては、初企画『鯖ノ壱』のツアーファイナルがSHELTERでしたよね(2022年9月29日)。

るみなす:初ライブがそもそもSHELTERだったんです。去年の3月15日(『DRIVE IN SHELTER』、共演はクモノワールとExtraVirgin)。

ごうけ:それもその年の1月に有明ちゃんの生誕祭があって、そこでよしむらーめん(SHELTER店長・義村智秋)と仲良くなって、「今度ガールズバンドをやるから出させてほしい」とお願いして決まったんです。それでサバシスターは初ライブがSHELTERになりました。

──サバシスターにとってはSHELTERが最多出演のライブハウスですか。

るみなす:そうかもしれない。定期的に出させてもらっているのは確かです。

──こうしたカップリング・ツアーは初めて?

ごうけ:サバは初です。

有明:私たちは初めてではないですけど、ライブハウス主催のツアーで二組が回る形は初めてです。

──そもそも両者はどんなつながりだったんですか。

ごうけ:私が前にやってたバンドの企画にレイラに出てもらってたんです。

有明:付き合いとしては3、4年くらいですかね。

──互いのバンドをどんなふうに意識しているのか聞かせてください。

有明:サバシスターを一言で言えば凄いなと。バンドの勢いも凄いし、ルックスも可愛いし、曲に中毒性があって頭から離れなくなるし…バンドの動きがちゃんと結果として伴ってるから凄いなと思って見てます。

みうら:いや本当に…その通りで。

有明:言うことを考えてきたんじゃないの?(笑)

みうら:サバシスターの印象はきっと聞かれるだろうと思って朝から考えてきたんですけど…全然思い出せない(笑)。

──では、思い出したら聞かせてください(笑)。サバシスターの皆さんはレイラに対してどんな印象を抱いていますか。

るみなす:私は個人的にずっと好きで、サバシスターの前にやってたサポートのバンドで知り合ったんですけど、その頃は会ったら挨拶する程度だったんです。当時から地に足の着いたかっこいいバンドだと感じていました。

なち:私は、自分が観に行ったバンドの対バンにレイラが出ていて知って、凄くかっこいいなと思いましたね。女性ボーカルのバンドってそれまであまり観たことがなかったんですけど、スカートを穿いて可愛い格好してるのに、ライブはロックで超かっこいい曲をやっていて。そのときめっちゃ前で観たのを覚えてます。あとから意外と身近な存在だったことに気づきました。

有明:サバシスターをやる前?

なち:うん。多分。

ごうけ:私も前から女性ボーカルのバンドが好きで、いろいろ聴いてる中でレイラも好きで聴いてて、前にやってたバンドのときに仲良くなってより好きになって。レイラの曲調や曲の世界観も好きだし、バンドの出す音も好きだし、ライブも他の女性ボーカルのバンドとは違う色を持ってるし、本当に好きなんです。

有明:あざーす。なんか照れちゃうな(笑)。

レイラの「美しい風景」は“大地の音がする”

──曲作りやライブのパフォーマンスなど、影響を受けた部分はありますか。

有明:なちのMCの感じはいいなと思って、真似はできないけどあの雰囲気を出せたらいいなとは思ってます。こないだレイラの企画に出てくれたときにそう思いました。

なち:前に一度、レイラが「ジャージ」をコピーしてくれたことがあって。あれから有明ちゃんバージョンの「ジャージ」もいいなと思って、「ジャージ」を唄うときに有明ちゃんに乗っ取られるかも…とか感じると上手く唄えてる気がする(笑)。

──ちなみに今日(3月8日)はサバシスターの1st EP『アテンション!!』の発売日ですけれども、レイラの二人は聴きましたか。

有明:はい、もちろん聴きました。どの曲も良かったし、みうらとも話したんですけど、MVの曲(「ヘイまま!プリーズコールミー」)は意外な感じだなと思って。

みうら:「ジャージ」からは連想できないような曲なんだけど、違和感は全然ないっていうか。

有明:そうそう。るみなすさんはあんなギターも弾くんだなって意外だったけど、凄いかっこよかった。

るみなす:確かに「ヘイまま!〜」のギターは今までとは違う感じかも。

──従来と違う作風を狙ったところはあったんですか。

なち:私はシンプルに自分が好きな感じというか、こういう音楽をやってみたいというのを自分たちなりの形でやってみただけというか、「ヘイまま!〜」もそういう曲のうちの一つです。

──「ヘイまま!プリーズコールミー」は新機軸で自信作だからこそMVとして選ばれたんですよね?

るみなす:今まで未公開だった4曲の中で、完全な新曲が「ヘイまま!〜」だけだったので。他の曲はライブでお馴染みでもあったし。

ごうけ:あと、今回は作り込んだMVを作りたいというのもあって。ストーリー性のあるMVを作るには「ヘイまま!〜」が一番いいと思ったんです。

──サバシスターの皆さんは、1月にリリースされたレイラの『WONDERLAND』を聴いてどう感じましたか。

るみなす:私は有明ちゃんに「大地の音がする」って感想を伝えた曲があったよね?

有明:あったね。「美しい風景」だったかな。

るみなす:あの曲を聴いて自然のエネルギーみたいなものを感じて、そんなメールを送ったんですよ。

ごうけ:「美しい風景」はMVも可愛かったよね。ギターもめっちゃかっこよかったし。

──同世代であり、共にガールズ・バンドをやっているという共通項もあり、互いがいつも刺激をもらえる関係性と言えるのでは?

有明:そうですね。まずガールズ・バンドと仲良くなったこと自体が初めてなんです。それまで仲の良いガールズ・バンドもいなかったし、サバシスターと出会ったのをきっかけにガールズ・バンドを意識するようになりました。ああ、ガールズ・バンドって意外といっぱいいるんだなとか思ったり。

──下北沢という街について聞かせてください。横浜出身のレイラは、それほど頻繁に下北へライブをしに来るというわけでもなかったですか。

みうら:レイラとして活動し始めて1年くらい経ってから、下北のライブハウスに出始めるようになりました。最初に出たのはMOSAiCでしたね。東京のライブハウスにも出る横浜のバンドと、地元でしかライブをやらない横浜のバンドってけっこう違う気がします。

有明:私たちは東京でもライブをやりたかったので、わりと早々に出てきたほうなんですけど。それまでのホームはずっとF.A.Dでした。

──横浜を出自とする二人から見て、下北沢はどんな街ですか。

有明:昔はもっとサブカルっぽいイメージがあったけど、今はあまりサブカル感がないですよね。

るみなす:昔ほどはね。井の頭線の高架下にミカンとかできて、街も新しくなったし。

有明:そうそう。渋谷の次に若者が集まる感じ。今はギャルもめっちゃいるしね(笑)。

みうら:僕は知り合いに会いそうで怖い街ってイメージです。油断して歩くと誰かに会いそう。

──サバシスターの皆さんはどうですか。

るみなす:私の地元は宮城県仙台市なんですけど、東京観光で下北沢を組み込んでましたね。高校生の頃から自分の好きだったバンドが下北沢出身だったりしたので。

みうら:観光でどういう所を見に行ったんですか?

有明:それこそSHELTERとか?

るみなす:ライブハウスにライブを観に行くよりかは、街をぶらぶら歩いてましたね。たとえば好きなバンドが映像で上げてた道はここだったんだみたいな、聖地巡礼みたいなことをやってました。あと、古着屋さんにも行ったりして。

ごうけ:私、仙台にいた頃は、原宿までしか行ったことがなくて。

有明:原宿と下北、けっこう近いけど(笑)。

ごうけ:下北は大学で上京してきて、友達と古着を見に行ったのが最初。それまでは下北って、別にそれほど遠くはないはずなのに、ちょっと遠い気がしていて。渋谷から乗り換えがあるじゃないですか。下北へよく行くようになってからは意外と近いと思うようになりましたけど。

有明:ちなみにみうらも生まれは仙台なんですよ。

SHELTERほど居心地良く飲めるライブハウスは他にない

──仙台も横浜も大都市だし、東京に対する憧れみたいなものを感じる必然性があまりないように感じますが、どうなんでしょう?

るみなす:でも、凄い田舎よりもちょっと栄えた都市に住んでる人のほうが、東京に対して憧れを持つような気がします。

みうら:確かに、横浜もそうかも。

ごうけ:横浜は充分おしゃれじゃない?

有明:充分おしゃれなんだけど、私は横浜駅が最寄駅じゃなかったし、東京のほうが栄えてると当たり前のように思ってました。ただ、東京は近いのですぐ行ける所なんです。

みうら:地方の“栄えてる”と東京の“栄えてる”はだいぶレベルが違うからね。

──新潟出身のなちさんは下北沢にどんなイメージがありますか。

なち:地元にいた頃は全然知らなかったんですけど、上京してから知って…なんだろう。バンドの用事で来る場所(笑)。

るみなす:あまり思い入れがないらしい(笑)。

──下北へ来るとよく立ち寄る所は?

有明:やっぱりSHELTERじゃないですかね。ライブじゃなくても夜飲みに来たりとか。

るみなす:飲みに行った2軒目に、パブタイムで立ち寄ったり。

ごうけ:どこかへ行った帰りに、足が勝手にSHELTERに向いてる(笑)。

有明:わかるわかる。「義村さんいるかな?」とか覗いてみたりね。いたら1杯…いや、3杯くらい飲んで帰る(笑)。

ごうけ:そうそう。それで気づいたら終電じゃん! みたいな(笑)。

有明:基本的にいつも同じ人たちしか残ってないけど(笑)、居心地が一番いいんですよ。ライブハウスの終演後に飲める所で一番。

るみなす:ふらっと入れて気持ち良く飲めるのは、ライブハウスだとSHELTERくらいかも。

有明:あと、私はFlowers Loftも居心地がいいですけどね。

──そこまでSHELTERをベタ褒めされるのは逆に居心地が良くないので(笑)、ダメ出しもお願いします。

るみなす:居心地が良すぎて終電を逃しそうになる。本当に危険です。

──それはまだ褒めてますね(笑)。

有明:じゃあ、マジの良くないやつ言っていいですか? 音出しが夕方の5時からっていう…。

──ビルの都合上、上のテナントに迷惑が掛かるので平日はリハの音出しが制限されているんですよね。

有明:音出しが5時からだと事前物販もできないし、ソールドアウトになると中もパンパンで余計物販するスペースがないし、試練がいっぱいあるわと思って(笑)。だけどどうしてもSHELTERでやりたいから、そういう難問をどうクリアすればいいか常に考えてます。

みうら:僕はSHELTERにキンミヤのボトルを入れてるんですけど、前、帰り際に「(ボトルが)もうなくなりました」ってスタッフの人に言われたんです。じゃあ1本入れておいてくださいと伝えて、その次に来たらなぜか2本あったんですよ。

──スタッフの管理ミスだったと。

みうら:じゃあ今日はたくさん飲まなきゃと思って。もしかしたら義村さんが新たに入れてくれた優しさなのかもしれない。

──それもいい人の発想でクレームじゃないですよ(笑)。なちさんはどうですか。

なち:強いて言えば、楽屋を広くしてほしいです。

有明:あと、楽屋のトイレに石鹸がほしい。私、石鹸がないとダメな人なので。ライブ前も絶対トイレに入るし、ああ、石鹸がない! と思いながらいつもライブしてます(笑)。

──確かに、SHELTERの楽屋は女性にとっていろいろと行き届いていないですよね。

るみなす:出番の直前の控え室みたいな楽屋だし、ゆっくりはできませんよね。

なち:対バンが多くてソールドしてると居場所もないしね。

るみなす:外を徘徊するしかないからね。

有明:そういうのも好きなんだけどね、結局。disりつつも好き(笑)。

──ライブはやりやすいですか。

有明:やりやすいですよ。ただこないだアコースティック・ワンマンをやったときに計6人ステージにのったんですけど、さすがに座りで6人は狭く感じましたね(笑)。だけど通常のバンドでやるぶんにはちょうどいい。

──今回の“Homecoming Tour”のように、SHELTERでの交流がきっかけで企画が生まれたりすることはこれまでもありましたか。

有明:けっこうありますね。打ち上げで飲んでるときに義村さんから「この日、空いてる?」と聞かれてライブが決まることは多いので。LINEで連絡を取り合って決めるより、SHELTERのパブタイムでライブのスケジュールが決まるのは多いですね。でもそのほうが相手の顔が見えてどういうテンションなのかわかって安心するし、やりやすいんです。

ごうけ:私たちもSHELTERで飲んでるときに「この時期にやりたいんですけど空いてますか?」と訊いてることが多いですね。

SHELTERを「ここが東京のホームです」と言えるのが嬉しい

──SHELTER以外では下北のどんな店へ行きます?

るみなす:三日月ロックとかKOGA MILK BARとか。

ごうけ:あと、近近とか。

みうら:僕はごえん よくへ行きます。

有明:ごえん はめっちゃ行くね。こないだはハハハへ行きましたね。ネクターハイが美味しかったです。

──どれも見事なまでに飲み屋ばかりですね(笑)。

有明:本当に。下北でランチとかはあまりないかも。したいけど起きられない(笑)。

ごうけ:私は下北でランチ、めっちゃ行きますよ。珉亭とか。

るみなす:珉亭をランチって言うんだ?(笑)

有明:珉亭はランチって言うより「珉亭に行く」じゃない?(笑)

ごうけ:(無視して)あと、一龍とか。

有明:確かに一龍は美味しい。昔、下北でバイトしてたときに一龍でよくランチしてました。

ごうけ:私、カフェが大好きで、tag cafeとかネグラとかも好きです。

みうら:(有明とごうけの)2人でもランチに行ってましたよね?

有明:ああ、一回行ったね。ハンバーガーのお店。

ごうけ:行ったよね。可愛い感じのお店。名前は忘れたけど(笑)。

──なちさんはどうですか、下北でランチとか。

なち:tag cafeはわりとよく行ってました。学校へ行ってたんで、バンドの用事の時間まで電源のあるカフェとして利用して。あと、豚汁屋さん(ごちとん)がめっちゃ好きだったんですけど、なくなっちゃったんですよね。

有明:今は焼売酒場(なかめ)になってるよね。

──下北沢という街を歌にするようなことは?

有明:書いたことはないような…あ、あるわ! 1曲だけ。下北で働いてたバイトをクビになって、下北沢というワードは入れてないけど、その経験を歌にしたことはあります。

なち:下北の歌は…あるかな? あー、下北から帰る電車の中でゲロが流れてきた曲は作ったことがあります(笑)。

有明:イヤな思い出だね。下北、嫌い?(笑)

なち:もしかしたら、これから下北のことを書いた曲ができるかもしれない。

──いっそのこと、SHELTERをテーマに曲を書いていただくとか。

るみなす:そういう時が来たらできるかもしれませんね。

有明:そうですね。今書きたい欲はないけど、うちらも一番出てるライブハウスなので。いつかSHELTERについて曲を書く日が来るんじゃないかとは思ってます。

──他のライブハウスと何が違うんでしょうね、SHELTERって。

有明:何だろう。居心地?

ごうけ:何なら住めるもんね。

るみなす:いやー、いくら好きでもそれは無理(笑)。

──“ライブ”ハウスじゃなく“ライフ”ハウスみたいな(笑)。SHELTERってソールドアウトになるとフロアは身動きが取れないし、ステージはほぼ見えないし、良くないところだらけだと思うんです。でも僕も自社店舗の中でずっとSHELTERが好きで、一番愛着があるんですよね。

有明:結局、SHELTERが居心地が良いのは義村さんがいるからじゃないですかね。

ごうけ:よしむらーめんに会いたくて、最後にSHELTERに寄るところはあるもんね。家に帰る前に。

有明:私たちの単なる思いつきをちゃんとしたツアーにしてくれたしね。

るみなす:めちゃくちゃ有難いですよ。胸を張って「ここが東京のホームです」と言えるのも嬉しいし。実家のような安心感がSHELTERにはあるんです。まあ、住めませんけど(笑)。

──下北沢SHELTERはレイラとサバシスターにとって第二の故郷と強引に言い切ってしまっても良いですか?

有明:全然いいですよ。実際、自分たちでもそう言ってますし。本来のホームはF.A.Dですけど、東京のホームは間違いなくSHELTERですから。

ツアー終盤にはレイラもしげちゃんの表情を読み取れるはず

──今回の“Homecoming Tour”では、両バンドのセッションを考えていたりしますか。

ごうけ:今のところ特に考えていませんけど…。

るみなす:何かやる?

有明:ファイナルに何か一緒にやろうよ、アンコールで。何やる? また「ジャージ」やる?

るみなす:何でもいいけど、レイラの曲は難しいから、やるなら簡単なやつをやろう(笑)。

ごうけ:他のバンドのコピーもまだしたことがないからね。

──そういえばみうらさん、言おうとしていたサバシスターの印象は思い出せましたか?

みうら:あ、えーと……。最初、ごうけさんがガールズ・バンドを始めたらしいと聞いたとき、るみなすさんもサポート・ベースの(サトウ)コウヘイさんも知り合いだったんですけど、「なちって誰なんだろう?」と思ったんですよ。唯一、なちさんだけまったく未知の人だったというか。

有明:未知のなち。韻を踏んじゃった(笑)。

みうら:「ジャージ」のMVで初めてお姿を拝見して、どういうバンドなんだろう? っていうのが想像していたのとまた違って、凄い新鮮でした。

有明:……やばいやばい。本当に大したこと言ってない(笑)。

▲しげちゃんとはいつも一緒

みうら:あと、衝撃だったのはしげちゃん(いつもごうけのそばにいるぬいぐるみ)なんですよ。ライブでなぜアンプの上に人形がいるんだろう? というのがまず謎で。そしたらライブ中に「しげちゃんです」っていう紹介の時間があって…。

有明:男の子で既婚者なんだよね?

ごうけ:うん。MVにも毎回参加してる4人目のメンバー。

みうら:そのしげちゃんがいつからいたんだろう? っていうのが不思議で。一番最初のライブから「しげちゃんを連れていこう」とはさすがにならないじゃないですか。

ごうけ:いや、最初からいたよ。

なち:一番最初のライブからいたし、そのときから「しげちゃん」って曲をやったよね。

ごうけ:そのライブの前、うちの家で打ち込みの作業をしてたときにしげちゃんを布団に寝かせてて、なちがそれを見て気になったみたいで。

なち:なんだこのぬいぐるみは? と思って、触れていいのか迷っていたら「しげちゃんだよー」って紹介されたんです。じゃあそのしげちゃんについて曲書くか…と思って曲にしました。

有明:優しい(笑)。ということは、しげちゃんが家で寝てたのをなちが見つけなかったらメンバーにはならなかったかもしれないってこと?

ごうけ:そうだね。

みうら:話が聞けて良かったです。しげちゃんって何者なんだろう?! ってずっと気になってたし、どっかのタイミングでスタジオなりライブなりに連れてこないとメンバーにはならないだろうと思ってたんだけど、家にいたんですね。相当気になるくらいの寝かせ方だったんですか?

なち:他にも人形はいたけど、なんかこう…オーラが(笑)。「なんかちょっと汚いね」って話をしようとしたんだけど、「みんなに汚いねって言われるんだよね」って感じでガチギレしてたから「あ、これは言っちゃいけないやつだ」と思って(笑)。

みうら:いつも一緒にいて、コンディションの良し悪しがわかったりするんですか?

ごうけ:めっちゃわかる!

なち:ずっと一緒にいると表情の変化がわかるよね。

るみなす:笑ってるときとかテンション下がってるときとかわかるしね。今日はけっこう機嫌がいいと思う。

ごうけ:具合が悪いときは凄い毛羽立ってるし、色もちょっとくすんでるから。

なち:ツアー・ファイナルの頃にはレイラの2人もそういうのがわかるはずだよね。

──では最後に、“Homecoming Tour”へお越しくださる皆さんにそれぞれ一言いただけますか。

なち:サバシスターとレイラはこうして話してると雰囲気が凄い似てるかもしれないけど、形にする音楽は同じ熱量があっても届くものがそれぞれ違うと思うし、そういう2つのバンドを一緒に見れる機会はめったにないし、自分たちもこうした機会があるのがとても嬉しいし、2つのバンドがぶつかり合うことで新しいものが生まれる瞬間をお客さんも自分たちも一緒に楽しめたらいいなと思います。

有明:素晴らしい! まとめはもうこれで良くない?(笑) (みうらに)これ以上のこと言える?

みうら:どの公演も凄く楽しみだし、横浜に出てくれるDr.DOWNERも仙台に出てくれる鉄風東京も凄いかっこいいバンドなんで、ぜひ見逃さないでほしいですね。

有明:……あのー、最後のコメントの順序、レイラとサバシスターを逆にしてもらえますか?(笑)

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