ランボルギーニ、V12プラグインハイブリッド『LB744』で採用のフルカーボンシャシーを公開

 3月15日、アウトモビリ・ランボルギーニは『LB744』という開発コードを与えられた同社初のプラグイン・ハイブリッドモデルとなるハイパフォーマンスEV(HPEV)に採用される新型シャシーを発表した。

 LB744は、航空工学にインスパイアされた新型シャシー『monofuselage(モノフューズレージ)』をベースとしており、このモノコックにはさまざまな技術を駆使したカーボンファイバーのみが使用されているという。同車のフロント部分に採用された『フォージド・コンポジット』は、2008年に初めて車体構造として採用され、ランボルギーニ社が特許を取得している技術だ。

『モノフューズレージ』を採用したLB744は、ねじり剛性や軽量性、ドライビング・ダイナミクスという点において先代モデルのアヴェンタドールから大きな進化を遂げ、アヴェンタドールのシャシーより10%軽く、ねじり剛性については25%もの向上を果たした。さらに、同車はスーパースポーツカーとして初めてフロント部分にカーボンファイバーを100%使用したことにより、先代最終モデルのアヴェンタドール・ウルティメに採用されていたアルミ製フロントフレームと比較して、20%の軽量化を果たすと同時に、2倍の衝撃吸収性能を実現している。

 ルーフを形成するカーボンファイバーは、プリプレグ素材を使用しオートクレーブ製法によって成形される複合材であり、従来から用いられている効果的な技術としてLB744でも継続して採用されることとなった。これは高度な技術を持った職人に支えられている技術であり、ランボルギーニ社内で複合材料のコンポーネントを製造し、数十年にわたって品質を維持してきたからこそ実現できるものだ。

 また、強化アルミ合金によって構成されるLB744のリヤシャシーにもさまざまなテクノロジーが盛り込まれ、ここでも大幅な軽量化や溶接箇所を削減しながら剛性の向上を実現している。

 LB744はカーボンファイバーを使用した車両製造の時代の幕開けを象徴するモデルとして、AIM(オートメーション、インテグレーション、モジュール化)を体現している。

 オートメーション(=自動化)は、ランボルギーニがこれまでに培った製造手法を守りながらも、材料の変換工程に自動化とデジタル化を導入したことを指す。インテグレーション、つまり『一体化』は圧縮成形の開発によって複数の機能をひとつのコンポーネントに統合することを指している。予熱したポリマーを使用することでさまざまな形状の部品を製造することが可能となり、コンポーネントを統合する上での最適化を実現しつつ、ねじり剛性の強化も実現した点などが『一体化』に含まれる。そして、応用技術を『モジュール化』することで、製品ごとに必要とされる特性や要件に対して柔軟かつ効率的に技術を応用できるようになったのだ。

 ランボルギーニ創設60周年の節目に誕生する次世代のプラグイン・ハイブリッド・スーパースポーツカーは、今後数週間以内に発表される予定だ。

LB744に採用される新型シャシー『モノフューズレージ』(サイドビュー)
LB744に採用される新型シャシー『モノフューズレージ』(上面)
アヴェンタドールより軽量、高剛性になった新型フルカーボンシャシー『モノフューズレージ』

 

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