血で汚れた服、着替えたい…男性を全治不詳の重傷にした強盗犯、「変装」して帰宅 200万円損し奪った6万円

郵便局強盗致傷、中国人留学生を容疑で逮捕

 2月、埼玉県川口市並木3丁目の川口並木郵便局で局員の男女2人が包丁で切り付けられて重軽傷を負い、現金を奪われた事件で、県警捜査1課と川口署は16日、建造物侵入と強盗致傷の疑いで、東京都荒川区東日暮里6丁目、中国籍の留学生の男(27)を再逮捕した。調べに「間違いありません」と容疑を認めているという。県警はこれまでに川口市内で発生した窃盗事件で男を逮捕。防犯カメラの映像などから、強盗致傷事件への関与も特定した。

 再逮捕容疑は2月16日午後1時37~39分ごろの間、川口並木郵便局に押し入り、包丁のような刃物を示しながら、「お金、お金」などと脅迫。カウンターを乗り越え、40代の男性局員と30代の女性局員を切り付けるなどして、現金6万円を奪った疑い。男性局員は頭部と右手の切創で全治不詳の重傷。女性局員は左手関節の切創で軽傷だった。

 捜査1課によると、同日の強盗事件後に同じ並木3丁目地内のマンション1階の40代男性方に男が窓ガラスを割って侵入する事件が発生。県警はジャケットや帽子、バッグ(時価計約7千円相当)を盗んだとして、2月26日に住居侵入と窃盗の疑いで男を逮捕した。男は「血で汚れた服を着替えるために盗んだ」と供述し、ジャケットと帽子、バッグを着用して帰宅していたことから、変装目的で住居に忍び込み、窃取したとみられる。

 変装後にJR西川口駅まで徒歩で移動し、電車に乗り、自宅まで戻っていたことが防犯カメラのリレー捜査で判明。自宅からの押収品のほか郵便局内や現場周辺の防犯カメラ映像の精査などから、郵便局強盗への関与も特定した。

 これまでに郵便局周辺からは刃物のケースが見つかっているが、男から押収している包丁と種類が一致したという。男は「投資で約200万円の現金を失った」という旨の供述をしていて、県警は犯行に至った詳しい経緯を調べている。

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